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卓越性(アレテー)も千差万別

黒坂岳央氏の2/24日付アゴラ記事「イーロン・マスク氏はコンビニバイトで活躍できるか?」へのコメントです。


その第一歩は「仕事は自分が得意なことをやりなさい」という理解だと思っている。

アレテーですね。

アリストテレスは、きわめて古い時代に「倫理」という概念を唱えた人で、その意味は「人が良く生きるためになすべき道」であって、その解は「人はアレテーに即して生きよ」でした。

アレテー、今日では「倫理」と訳されているのですが、そのもともとの意味は「卓越性」で、つまるところ、自分が得意なことをすればよい。ただしアリストテレスの場合は、人間の動物に対する卓越性に即することも要求し、結局のところ、後先を考えて行動すること、情動に従うのではなく理性に従うことなども、この「卓越性」に含まれておりました。

とはいえ、この「卓越性」、なんでも他人より優れていればよいというものでもなく、それがどれほど高い価値を生み出すかが社会的価値を決める。自販機にジュースを補充する技における卓越性と、企業経営の先を見通す卓越性では、おのずとその価値も異なるということを理解しなくちゃいけません。

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