アゴラ編集部の3/11付けアゴラ記事「総務省の内部文書を疑う人は社会人経験がない?:謎の社会人論争が勃発」へのコメントです。
行政文書というものは、官僚が業務上作成した文書であって、正確性が保障されているものでもないのですね。「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」での定義は次のようになっています(注記と但し書きを除く)。
「行政文書」とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう。
私も役所を含む会議に参加したことがありますが、一般にそれぞれの参加者は、所属組織向けに私的な議事録を作成し、それぞれの機関内部で共有するが、外部には出さない。これとは別に、会議を開催した事務局が正式な議事録を作成し、次回の会議で参加者の確認を得た後、正式議事録として出席者に配布するのですね。
今回の行政文書の内容を見ますと、「礒崎補佐官は官邸内で影響力はない(長谷川補佐官は影響力あるとの言)。… 今回の話は変なヤクザに絡まれたって話ではないか」などという記述は、個々の組織内部に限られた文書で、公務で作成しているから行政文書にはなるのでしょうが、私的な文書に限りなく近いと言わざるを得ず、その正確性も確認されているわけではない。
役所といえども人間がやることですから、あいまいな部分を含まざるを得ない。それに対して、すべての物事を二つに割切ろうとすると、いろいろなところで齟齬が出るということではないでしょうか。
Yahooの掲載した現代ビジネス記事「『小西文書』のなりゆきに慌てふためく左派メディアは、世界の潮流がわかっていない」の解説する「行政文書」の意味は、ほぼ上に書きました私の主張と同じです。
どなたの記事かと見ましたら経済学者の高橋洋一さんですね。高橋洋一氏に関しては、このブログでも以前お伝えしましたが、我が国の経済学者の中では特異な経歴の持ち主。つまりは、まともなことを言う方、ということですね。大いに参考になります。
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