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NIIから30年で開いた日米の差

池田信夫氏の3/12付けアゴラ記事「憲法違反の放送法4条は廃止せよ」へのコメントです。


この場合には放送か通信かというのは無意味だから、電波は用途自由の帯域免許としてオークションで割り当て、使うのは携帯電話会社でもAbemaTVでもいい。無限のチャンネルが見られるインターネット時代には、言論の多様性はチャンネルの多様化で保障すべきだ。

これは、卓見ではありますが、さらに進んだ考え方もある。つまり、固定された受像機で視聴するテレビ放送はファイバーに移行して、空いた電波チャンネルを通信に割りあてるべき、という考え方ですね。

この考え方は、きっちり30年前の1993年、当時米国ホワイトハウスの主でありましたクリントン・ゴア政権が発表したGII(地球情報基盤)/NII(国民情報基盤、全米情報基盤)という文書に述べられておりました。

今は少々評判の悪いゴア元副大統領ですが、当時は情報通信技術に米国の未来を見出し、全米に高速光通信網である「情報スーパーハイウェイ」を張り巡らして、デジタル化を進めようとしておりました。電波利用の放送から通信への移行もその一つとして述べられておりました。そして米国のデジタル時代への移行は、結果的に、大成功をおさめることとなりました。

一方の日本は、デジタル時代にも電波を通じた放送にこだわり、「地上波デジタル」に移行したことはご存知の通り。東京スカイツリーというシンボル的技術は生み出しましたが、日本が情報化の流れに遅れる嚆矢でもありました。我が国の失われた30年は、こうして始まったのですね。

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