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知的水準の維持にも配慮が必要

島澤諭氏の3/18付けアゴラ記事「子どもをもつのは贅沢になったというのは本当か?」へのコメントです。


グラフを見れば、経済理論が教える通り、総じてみれば所得水準の上昇とともに子どものいる世帯の割合は高まり、ある所得水準を超えるとその割合が低下することが確認できます。

なお、こうした所得が上がるほど子どものいる世帯が増えある程度の所得水準を超えると子どものいる世帯の割合が減る傾向はいつの時代にも観測されることも指摘できます。

子供を育てるためには、一定の経済的基盤が必要だが、ある程度以上の所得水準では、逆に、所得が増加するほど子供の数が減る、ということですね。これはいわゆる、貧乏人の子沢山的因子が現在でも作用しているということでしょう。

エドワード・ダットンらによる2021年出版の「知能低下の人類史」は、この因子が人類の知能を低下させる進化論的要因であると述べます。つまり、知能に優れると考えられる高所得層が子孫を少ししか残さず、そうではない階層が多くの子孫を残す結果、人類の知能は低下の方向に向かうというのですね。

これは由々しき問題であり、経済的理由によって子供をもてない層を救済することも重要だけど、富裕層が子孫を多く残すようにする政策も、国家百年の計としては重要であるといえるでしょう。

結局のところ、子育てに関する政府の支援は、所得の高低に関わらず、一律おこなうのが妥当ということになるのではないでしょうか。そうすることで、所得で区切る必要もなくなり、行政コストも削減できるはずですし、教育の無償化など、政策の幅も広げられるでしょう。


シンガポールでは、以下のような、極端な政策がとられたこともあったと。これはさすがに行き過ぎですが、上の程度のことであれば許されるのではないかと思います。

2) 第2期 1983~1986: 優生学期(Eugenics Phase)
80 年代に入ると、生得観念に傾倒していた当時の政府は、高学歴女性の顕著な少子化傾向を懸念するようになった。1983 年 8 月 14 日のリー・クアン・ユー(Lee, Kuan Yew)首相(当時)によるナショナル・デー・ラリー(National Day Rally (NDR))7での言及に続き、一定以上の教育水準を有する母親の子どもへの初等教育優先的入学制度や、大卒の独身公務員を対象とした結婚支援サービス、高学歴女性の出産を奨励する政策が打ち出される一方、教育水準の低い両親には割高な出産費を課す、教育水準の低い女性に対し出生抑止政策が強化されるなど、いわゆる優生学的な政策が導入された。

これに対する批判が強かったため、初等教育優先的入学制度が一年で撤廃となるなど、目立った優生学的政策は姿を消した。しかし、1984 年の強化版子ども減税などは教育水準を減税対象の基準としており、目立たない形で優生学的政策はその後も継続された。

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