岡本裕明氏の3/28付けアゴラ記事「リスキリングと起業の類似性:『Youは何ができるの?』」へのコメントです。
職を選ぶということは、自分自身という人材をどのように売り込むかという、マーケティングの話なのですね。で、これをうまくやるためには、ニーズと商品(自分自身)の特性をうまくマッチングさせなくてはいけません。
マーケットニーズに関しては、昨年5月末に出された未来人材ビジョンが非常に参考になります。製造職、販売職、事務職という中スキル職のニーズが低下して、技術・研究・管理職という高スキル職(日本では管理職のニーズは低下です。働かないおじさんが相当に混ざってますからね)と、清掃・警備・医療・対個人サービス職という低スキル職のニーズが上昇しているのですね。
簡単な道を選ぶなら、低スキル職を選べば、さしあたり食っていける。でもこれは、経済的には恵まれない。自分に能力ありと自負するなら、高スキル職を狙うべきなのですね。
で、技術・研究・管理職というのは、じつは普遍的な能力が要求され、企業の枠を超えて人材情報が流れる。つまり、特許や学会発表には、個人名が出るわけで、他社との交渉の席にも技術者、研究者が同席すれば、優れた人に関する情報は企業の枠を超えてある程度伝わっているのですね。
企業の枠を超えた付き合いは、別に、会社のお金でやるだけのことではない。発表しないのであれば、学会などを聴講するのは比較的簡単に認められるだろうし、そこで名を名乗って質問したり議論するのも自由。懇親会にも大いに参加すればよいのですね。
そうして、業界の中での己のポジションを知り、他社にも知ってもらっておれば、どこに行くのも比較的容易だし、求められる技術もおよそわかるわけで、事前にこれを身に着けることもできる。簡単な話であるように思えるのですが。
すきるねえ