岡本裕明氏の4/8付けアゴラ記事「トヨタのEVシフトへの本気度:自動車大手の巻き返しが始まる」へのコメントです。
EVは、「バッテリーで走らせる車」と考えますと、方向を見失うのではないかと思います。あくまで、「モータで走る車」と考えるべきだということですね。じつは、「モータで走らせる船」、「電気推進船」への動きが確かなトレンドとしてあり、温暖化とは別に、船体の設計自由度が上がり効率的なデザインが可能になること、操船しやすく、乗り心地もよいことなどが挙げられるのですね。
電気推進船の電力は、ディーゼルエンジンやガスタービン発電機で行いますので、炭酸ガスは出るのですが、効率の高い回転数領域で発電すれば、燃費は改善されることになります。同じ考え方は自動車にも適用できるわけで、たとえばマツダはロータリーエンジンを発電機として用いるEVを開発しているのですね。
車をモータで走らせることそれ自体を中心に考えるなら、地球温暖化防止の動きをあまり気にする必要もない。どのみち、2030年代から2050年代には核融合発電が実用化され、温暖化の問題は急速に影をひそめるはずなのですね。でも、モータ駆動自動車はそれ自体でエンジン駆動に勝っていれば存在価値は十分にあります。
トヨタの場合、じつは同社の電装部を分社化した「デンソー」が優れたモータ技術を持ち、最近でも空飛ぶ車用のモータを開発したなどというニュースが流れておりました。ここ、トヨタの持ち株比率が3割以下と少ないことが問題で、他にとられないよう、注意しなくてはいけません。
発電機に関しては、トヨタは、ピストンが往復運動だけをするエンジンとリニア発電機とを組み合わせた「フリーピストン発電機」の研究などを行っており、その後がどうなったかよくわからないところもあるのですが、バイオエタノールや水素なりe-fuelで駆動する軽量で効率的な発電機を用いれば、電池に拘らずとも次世代EVは実現できる。そういう方向も、一つのオプションじゃないかな?
ガソリンでええ