松田智氏の4/14付けアゴラ記事「水素に15兆円投資・・キチガイ的な無駄遣い」へのコメントです。
電力のほとんど唯一の「弱点」は、貯蔵と国際的長距離輸送が難しいことである。そのため、貯蔵・輸送が効く水素を推す向きもある。しかし電力貯蔵手段として見ても、水素は効率が悪い。電力→水素の効率が約60%、水素→燃料電池→電力も効率ほぼ60%、つまりこの2段階で電力は36%に減る。電力を貯えたら64%も減ってしまうような蓄電池を使う人が、どこにいるだろうか?
自然エネルギーには出力が安定しないという問題がある一方、原子力発電は常時最大出力で運転しないと経済性が損なわれるという問題があります。このため、原発比率が高まると、電力需要が少ない夜間に電力が余るという問題があったのですね。
夜間電力消費のため、電気温水器の利用が推奨されたこともありましたが、これを進めるためには、夜間電力は安くしなくてはいけない。昼間の電気代が20~25円/lWhの時、夜間電力は7円/kWhと1/3程度に設定されておりました。
この数字を見ますと、電力貯蔵で効率36%というのは、さほど悪くない数字であるように思えます。さらに、水電解の効率は温度を上げると上昇し1000℃を超えると100%以上になる。もちろん100%以上の効率は吸熱反応を意味しますので、外部から加熱しなくてはいけないのですが、水電解技術は改良の余地が大きいのですね。
水素ができれば、これからメタンやアルコールやガソリンに似た燃料(e-fuel)を合成することも可能で、メタンなら天然ガスの系統に供給できるし、アルコールならバイオエタノールの代わりになる。e-fuelは、少々製造コストが高いのですが、これはガソリン代替を狙っている。コストが引き合うようになれば道はいろいろと開けてくる。多分、核融合を含む原発と水素の組み合わせが、未来エネルギーの最適解ではないかと思いますよ。
がんばれ水素。
まけるな水素。
フレーフレー水素。