長谷川良氏の6/1付けアゴラ記事「ウクライナ戦争は危険な段階に突入」へのコメントです。
宇露戦争には出口戦略がない、などという意見がどこかにありましたけど、戦争の出口は常に三つある。第一はウクライナが敗ける、第二はロシアが敗ける、第三に停戦合意が成立するということですね。
ロシアの当初の作戦が図にあたれば第一の出口でしたけど、ウクライナが初戦を切り抜け、西側の援助を得て、ロシア側に武器弾薬兵力不足が目立った今となりますと、第二の出口に向かうしかない。第三の出口は、形勢不利なプーチンが事実上の敗北を認めるしかありませんから、最初からなかったのですね。
ロシアが敗北するとなると、核を使うだろうとみられている。これは、プーチンを廃さない限り、避ける道はないのですね。逆にロシアに一発の核を使わせることを許容すれば、その時点で米国の小規模な核による報復攻撃がロシアに対して行われ、ここでロシアもギブアップするであろうという読みも成り立つ。まあ、数十万人の犠牲者が出るわけですが。
今回のウクライナによるモスクワ攻撃の意味は、ゼレンスキー氏がそこまで読み切った、ということではないかな。これでプーチンを廃することができればよし、ロシアの内乱勃発だってあり得ないではない。それがなくても、ロシアに核兵器を使わせる覚悟はできた、とのアピールにもなる。
このアピールの意味は、米国の報復攻撃というシナリオがあるということ、ゼレンスキー氏はそれを知った、ということじゃないかな? あとは、プーチン氏が冷静な判断能力を持っているか否かによります。もしそれがあるなら、負けを認める形で停戦交渉を提案するはず。これがリアリズムというものなのですが、、、
返信がついております。
Tomoyoshi Sasamoto
> プーチン氏が冷静な判断能力を持っているか否かによります。
冷静な判断能力を持っていたら、ロシアは最初からウクライナ侵攻をしていないのでは? 国力こそ全く違うけど、四面楚歌になるのをわかっていて真珠湾攻撃をした某国と今のロシアには共通点がありますね。
/hr<>瀬尾 雄三
Tomoyoshi Sasamotoさん
> 冷静な判断能力を持っていたら、ロシアは最初からウクライナ侵攻をしていないのでは?
普通に考えたら、「最初の段階でウクライナが白旗を上げる」と予想するでしょう。そうなるのであれば、この時点でウクライナを占領して、NATO東進を止めるのが、ロシアとしては正しい戦略です。
もちろん、冷静な判断能力にも読み違えはある。ゼレンスキーがこれほどやるとは思わなかった。「たかがお笑いタレントが」、と思うのは優秀な人には常識かもしれないけれど、優秀なお笑いタレントは元々命懸けでやっているのですね。
真珠湾の時の日本は、最初から長期戦に耐えないことはわかっていた。真珠湾をやられたら、米国民は青くなって停戦交渉に乗ってくれると考えたのが大間違い。「やられたらやり返す」が米国人の基本思想なのですね。裕福な人の精神は軟弱、と思ったのが大間違いでした。
一般論で言えば、精神的におかしな人物が一国のリーダーを務めることは相当に困難であり、少々の(大きな?)思い違いをしていることはあっても、かなり正確な判断能力を持っております。最悪の事態が起こる可能性は低いとみてよいのではないでしょうか。まあ、それが起こったら大変なことになるのですが、、、
はいぼく