岡本裕明氏の7/10付けアゴラ記事「マネーが狂わせた労働の質:日本であり得なかった事故が普通に起きる時代」へのコメントです。
前にもどこかに書いたと思いますけど、ロバート・パーシグの「禅とオートバイ修理技術(1)、(2)」という、ヒッピー精神を紹介しているような書物の中で、著者は「クオリティ」という概念を強調します。これ、トヨタのQCなどにも現れる言葉で、当時お手本とされた日本的経営の一要素でもあったのですね。
彼は、「主観と客観」と「感性と理性」とを重ね合わせて理解しようとし、そのいずれにも属さない概念としてクオリティを取り上げております。なぜそんなところに行くかといえば、標題にもあります「禅」が彼らの思想の根底にあって、禅の立場は主観と客観の分離以前の姿を探る、としているからじゃないかと思います。
まあ、感性と理性の間には「悟性」があるとカントは言うのでしょうし、クオリティは確かに、論理化以前、言語化以前の概念で、悟性の扱う領域の概念ではあります。
で、これをきちんとやるためのドライビングフォースは何かといえば、それは、論理世界に属するマネーではなく、モラール(士気)ではないかと思います。モラール(morale)、モラル(moral:道徳)に似た言葉ですが、前者は士気、やる気であって、昨年5月末に経産省が発表した「未来人材ビジョン」によりますと、日本が世界で最低だという、アレです。
まあ、この未来人材ビジョンは、ホワイトカラーや研究者など、ハイクラスの人材に関する議論であって、現業ではないのが救いであったのですが、このエントリーを見ますと、現業もダメ、ということの様子。日本、お先真っ暗であります。どうしましょう、、、
戦場では勇敢な人ほど早く〇ぬらしいが、労働者はがんばっちゃう人から壊れちゃうからね。ただ働きはいかんですよ。
まあ日本に関していえばまずはマネーですわ。
まずはマネーを他国並みに上げてからですね。
この問題を引き起こした原因はブラック企業の経営者であったり、やりがい搾取ばかりしている連中がなので、これらの無能な連中からお金を取り上げて分配しましょう。