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大規模システムを変える技術

岡本裕明氏の7/24付けアゴラ記事「不人気岸田内閣の増税バイアス」へのコメントです。


マイナンバーカードに関しては、他でもコメントしたので繰り返しませんが、システム要件定義がどうなっているかは、気になるところです。それも何度か変更されているはずで、その経緯がどうなっているのか、ドキュメンテーションは適正になされているのでしょうか。

退職金制度や通勤手当課税の問題に関しては、所得税制全般の中で考えていかなくてはいけませんし、これもある種のシステム(実際に情報機器も使っているはずですしね)で、こちらもワークフローの分析をきちんと行って、システム要件定義をしなくちゃいけません。

そもそも、退職金、企業年金を含む定年退職という制度は、会社が社員を丸抱えにする家族的経営の一環をなすもので、これ自体を「日本的経営」として賛美する声もあることは確かです。でもこうした制度は、家長主義的、パターナリズムという前近代的な社会関係でもあり、見直されてしかるべき制度と考えるしかない。

このエントリーで「岸田氏、ひいては税制調査会が打ち出している増税プランは基本的には北米などでの税慣行に移行したがっているように見えます」と述べられておりますが、『北米などでの税慣行に移行』することこそ、まさになすべきことでしょう。

我が国の様々な政策は、局部的に解決されるものなら簡単なのですが、巨大システムに手を加えるようなことになりますと、思い付きやパチあてでどうにかなるようなものではありません。ここは、大規模プロジェクトの運用という、それ自体が一つの技術学問領域に係る知識能力をきちんと身に着けた上で取り組まなくてはいけません。それがわかっていない点が大きな問題であるように見えます。

1 thoughts on “大規模システムを変える技術

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