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原発処理水放出に係る観点三つ

アゴラ編集部の8/22付けアゴラ記事「24日に原発処理水放出:なんでマスコミは科学的な知見から報道しないの?」へのコメントです。


科学的には何ら問題はないのですが・・・。

以前も議論したのですが、やって良いこと、いけないことを判断するに際して、3つの観点があるのですね。一つは「科学的、技術的、経済的」基準で、それができるかできないか、やれば問題を生じるか否か、が判断基準になります。この点は、さしあたりクリアーしているのでしょう。

問題はその他の二つの観点で、二番目の「法律的、条約的、契約的」観点は、池田氏も触れておられますが、国内法的には問題なくても、ロンドン条約に抵触する恐れがある。つまり、海底トンネルを経由して外海に放出しておりますので、ロンドン条約の禁止する「放射性物質の海洋投棄」にあたるのではないか、という問題ですね。

日本政府は、この放出が船舶などからではないため問題ないとの立場なのですが、ロンドン条約の定める投棄には「廃棄物その他の物を船舶、航空機又はプラットフォームその他の人工海洋構築物から海洋へ故意に処分すること」と定められており、トンネルが「人工海洋構築物」にあたらないことの立証が必要になります。

第三の観点は「倫理的道徳的」観点で、地球環境的側面が問題視される。今日では、サステイナブル、つまり持続可能性が問われる。これは、地球の海洋や大気が有限だということが意識されており、汲み上げた海水で希釈することで濃度基準をクリヤーして海洋に放出することはこの観点からは問題視されかねない。

後の二点に関しては、アジア諸国が問題視しなくても、いずれヨーロッパ勢が何か言いだすのではないか、そこが少々気がかりなところです。


返信がついております。

星光

他の記事でも議論しましたが、あいもかわらずどこの国も問題にしていない「法律」論をひきあいに出されるのはいかがなものでしょう。

科学技術論的にもおかしな瀬尾さんらしくない反対論には首を捻らざるを得ません。感情論的なものが根本にあるのでは?


瀬尾 雄三

星光さん

> どこの国も問題にしていない「法律」論

違法な行為が行われる以前には、誰も問題にしないと思います。まともな人なら、問題にされてから法律を論じるのではなく、誰も問題にしない段階で法律上の問題をチェックして行動に移るものです。これは、道義上の問題も同じなのですね。

もともと欧米にはアジアの人びとに対する偏見があるところ、これを強化してしまうことは避けなくてはいけないのですね。国内の議論だけを見て行動するというのでは、国際的な信用を失ってしまう。

無茶苦茶な韓国の主張に反論すればそれでOKというものでもない。無茶な主張に反論するのは良しとしても、だからイケイケということにもなりません。その他の問題にもきちんと気を配らなくてはいけないのですね。

北朝鮮や中国といった問題国家を抱えるアジアの一員として、日本は特に国際的な信用を失うことのないよう、気を付けたいところ。検察、司法、マスメディアの問題もそうなのだが、、、問題山積、ですね。

1 thoughts on “原発処理水放出に係る観点三つ

  1. MITSUNORI MINOSHIMA

    宇宙にすてようぜ。
    そうすればイスカンダルの何とかクリーナが放射能を除去してくれる。

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