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変態男より重大なメディアの罪

アゴラ編集部の8/30付けアゴラ記事「ジャニー喜多川氏の性加害を事実認定、ジュリー社長は退任へ」へのコメントです。


変態男が一人いたというニュースは、大して大きなニュースでもないし、メリーさんによる隠ぺいと放置も、企業経営陣に属する人の犯罪ではよくある話。これらはさほど大きなニュースではないのですね。まあ、被害者が芸能人、という点は、「スポーツ・芸能」というくくりのニュースとして、大きく取り上げる価値はあるのかもしれませんが。

それよりも大問題は、この変態男に我が国のジャーナリズムが長年にわたって支配されてきたということ。我が国のマスメディアは、犯罪者に頭が上がらず、沈黙することもあるという点は、このエントリーでも多数の論者が指摘される通り、大問題なのですね。

この性犯罪者にマスメディアは屈服したということは、その他の犯罪者にも屈服している可能性があるということ。彼らが伝えているニュースはあまりあてにならない、ということなのですね。

だから、「ジャニーズは解散すべき」という主張と同様の(あるいはそれ以上の)重みをもって、「我が国のメディア各社は解散すべき」と言わなくてはいけない。

少なくとも、今日のメディア各社にあたえられている各種特権(例えば放送電波の割り当てなど)は、一旦見直し、ゼロベースで配布しなおすくらいのことはしなくてはいけないのではないでしょうか。まあ、このあたり、当事者からの何らかの表明を待つのが良いかもしれないのですが。


他の方のコメントに返信を入れておきました。

岡本 真行

ここにきて「本物のジャーナリズム精神」が問われることとなろうとは。

これまでの日本で「本物のジャーナリズム精神を持つ日本人」がジャーナリストをやっていたら、まあ実際の話、黙殺されて誰からも相手にされない。
損得ではなく正義で動く人間こそがここでいう本物のジャーナリスト。
損得ではなく正義で動くためには、人間は狂気の人とならなくてはならない。
大人げないと「常識人」からはうしろゆびさされ。なんの得もない、私怨でもないのにいい年して何やってるの?と常識を疑われ続ける。

そんな人に個人をならせようという試み自体が少し無理強いすぎやしないかとも思う。これだけ「本物」がスポイルされきってしまう業界であれば、これは構造的なものであって個人の努力うんぬんでどうにかなるものではないと見るべき。


瀬尾 雄三

この問題は、ジャーナリスト個人の問題ではなく、我が国のジャーナリズムの問題として考えなくてはいけません。だからその対応は、メディア各社に対する社会的対応を考えなくてはいけない。

これまで各社の見解が発表されていますけど「事態を重く受け止める」といったものばかりで、「このような事態に至った経緯を究明する」とか、「再発防止に向けた取り組みとしてこれこれする」とか、「責任者の処分」といった話は出てこない。ジャニーズ事務所が同じことを発表したら、批判の大合唱が起こると思うのですけどね。

とはいえ、すぐにどうこうということは難しく、しばし各社の対応を見守る必要があるとは思います。だけど、これが不十分な場合の対処も考えておかなくてはいけない。

我が国ではこれまで、報道の社会的意義に配慮して、メディア各社には様々な優遇措置がとられている。それが、ジャーナリズムの役割を放棄して、利益追求第一のふるまいをするなら、それ相応の対応をすべきです。

ちょっと考えつくところでも、軽減税率とか、廉価な電波の割りあてとか、記者クラブとか、いろいろあります。メディア各社の対応に応じて、これらを見直していくことを考えなくてはいけません。もう一つは、クロスオーナーシップの禁止。こちらは、独禁法的にも好ましい処置ですし、今回の問題の病根でもありますから、さっさとやったらよいでしょう。

1 thoughts on “変態男より重大なメディアの罪

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