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「有限の地球海洋水」が基本

アゴラ編集部の9/2付けアゴラ記事「宮台真司さん『トリチウムの生体濃縮』という珍説でフルボッコ」へのコメントです。


宮台氏の言ってることもワケワカですが、これに対抗する以下の考え方も少々問題です。

これはバスタブのような閉鎖水域だから濃縮されるので、処理水の放出される外洋とは違います

これは、今からおよそ半世紀前、1968年に、いくつかの出来事が相次いで起こったのですね。イタイイタイ病(Itai-itai disease)が三井金属神岡工場の排出したカドミウムによって起こると厚生省が認定したのが5月、チッソ水俣工場の排水がメチル水銀によって起こる水俣病の原因であると厚生省が認定したのがこの年の9月でした。

そして同年12月24日、奇しくもクリスマスイブに、月周回軌道上のアポロ8号から、月の地平線から昇る地球の姿(地球の出)のカラー写真が送られてきたのですね。これで人々は、地球の海洋と言えど無限大ではなく有限の存在であることを実感したのですね。

6,300kmの地球半径に対し、海洋は最も深い所でも10km少々しかない。そこに水銀やカドミウムを流し続けたらどうなるか。実際、海水中の水銀濃度が測定もされていたのですね。そこで、水銀、カドミウム、放射性物質を含む廃棄物の海洋投棄を禁止するロンドン条約が1972年に締結されました。

この、地球は有限であるという考え方は、「直ちに害があるわけではない」のですが、「こんなことを続けているといずれ人類は地球に住めなくなる」という意味で重要です。このような意識は、なぜか今日の我が国では希薄なのですが、環境を語る上での基本だし、今日流行りの「サステイナブル」のベースでもありますから、きちんと意識しておかないと、世界から馬鹿にされてしまいます。


返信がついております。

磯野靖雄

閉鎖水域内での濃縮の話が、いつの間にか水銀やカドミウムを「流し続けたら」害があるという話にすり替わりましたね。相変わらす、口先だけの屁理屈屋さんですね。


瀬尾 雄三

磯野靖雄さん

> 閉鎖水域内での濃縮の話が、いつの間にか水銀やカドミウムを「流し続けたら」害があるという話にすり替わりましたね。

きちんと読んでくださいね。今日の世界の環境問題に対する基本は、地球が有限であるという認識に基づいている。処理水放出を議論する多くの人たちが、この認識に欠けていることは問題だ、と述べているのですね。

海洋水が有限であれば、くみ上げた海洋水で希釈して海に流し、これをまた汲み上げて希釈に使う。これは「持続可能」なやり方ではないのですね。

これに気付かせてくれたのが、地球規模の水銀汚染であり、アポロ8号の地球の出の写真だったのですね。そして気付いた結果がロンドン条約だった、というわけ。

本来は、こういうことを義務教育できちんと教えておかなくてはいけない。これがきちんとできていない様子であることは、情けない話だと思います。


鈴木 拓

実感したのではなくて扇動されただけです。数量的な相関は全く示されてないですよ?


瀬尾 雄三

鈴木 拓さん

> 実感したのではなくて扇動されただけです。数量的な相関は全く示されてないですよ?

マグロの水銀汚染に関してChatGPTに聞いた結果は、次のようなものでした。この問題に関する限り、人類は具体的な問題として意識しております。そして、その他の物質に関しても、同様な問題が起こるであろうことは、類推できるのですね。

> マグロの水銀汚染の問題は、20世紀の後半から注目されています。具体的な発見や議論の始まりは以下の通りです。
> ・1950年代から1960年代: マグロなどの大型魚が水銀に汚染されていることが初めて指摘されました。日本では、食品衛生法の制定により水銀の基準値が設定されたり、魚の水銀濃度の監視が始まりました。
> ・1970年代: アメリカの環境保護庁(EPA)などが、大洋の魚における水銀の問題に関する調査を行いました。この時期から、水銀汚染が環境や人体に与える潜在的な健康リスクが注目されるようになりました。
> ・1990年代以降: この時期になると、水銀汚染の影響がより深刻に議論されるようになりました。特に、マグロなどの大型肉食魚が水銀を蓄積することによる人間の摂取リスクが懸念されました。


磯野靖雄

屁理屈のも程がある。
生体は閉鎖されていない。物質は代謝されているのです。同じ炭素原子であっても、数日後には別の原子に置き換わっている。したがって、生体内で物質が濃縮されることは無い。それだけ。余計な理屈は毒です。あなたにとっても、周囲にとっても。


浜田英人

それは少し違います
ロンドン条約で放射性物質は海洋投棄は禁止されていますが(附属書Ⅰ.1.1)基準以下の放射性物質は対象外です(附属書Ⅰ.1.3)
これは①放射性物質規制値の物理的な体積が他の廃棄物と比較して極限まで小さいこと(処理水の年間放出管理値22兆Bqはトリチウム単体で100%濃縮されたとして0.06gです)
②崩壊によって別の元素や安定化して放射性物質から一般物質に変化すること
③宇宙線等の影響で人類とは関係なく放射性物質は常に生成され続けること

等によって少なくとも放射線障害を発生させないように基準を決めてるのです

なので水銀やカドミウムのような重金属汚染と比較するのは不適切です
放射性物質からの目線からみれば食塩を一粒単位で使うのが放射性物質でkgや箱単位で使うのが重金属なのを同列に扱っているのと同じです

そもそも論として放射性物質は人類や持続可能かに関わらず生成され続ける物なので人類が生産しなければ安定化していた物と一緒くたにするのは如何なものかと


瀬尾 雄三

浜田英人さん

> それは少し違います
> ロンドン条約で放射性物質は海洋投棄は禁止されていますが(附属書Ⅰ.1.1)基準以下の放射性物質は対象外です(附属書Ⅰ.1.3)

この規定は、ホワイトリスト(例外的に海洋投棄を認める廃棄物)であっても、高濃度の放射性物質を含む場合は、投棄が認められない、とするものです。

今回の処理水は、そもそもホワイトリストに指定されておりませんので、この規定とは無関係です。

この規定が生きてくるのは、(1)投棄が認められている浚渫物などを投棄する際に、(2)それが放射性物質を含む場合、(3)国際原子力機関が低濃度と認めた場合で、(1)と(3)の条件が満足されれば投棄が許されることになります。


磯野靖雄

法律の条文の読み取り方法では無く、
水銀やカドミウムのような重金属汚染と比較するのは不適切である事の証左として、例示したのですよ。
あなたバカなの?


瀬尾 雄三

廃棄物の海洋投棄やロンドン条約に関して、様々な考え方がある様子ですが、Wikipediaの「海洋投入」のご一読をお勧めします。

多分、認識を改めていただけるのではないかと思いますよ。


以下は、ブログ限定のメモです。

1968年のもう一つのトピックスは、2001年宇宙の旅が公開されたこと。この月面上のシーンで、常に暗黒の空に浮かぶ地球が背景に見えているのは、象徴的なことでした。もちろん、アポロ8号の写真がこの映画の製作に間に合った筈はありません。でもその前から、衛星軌道上で撮影された地球の姿は多々あり、月面上でかく見えることは想像に難くなかったのですね。

2001年宇宙の旅は、月面で見つけたモノリス(黒い直方体)が人類の進化の鍵であるというような描き方がなされておりますが、じつは、宇宙空間という視座から眺めた地球の姿こそ、人類を進歩させるモノリスだったのではないか、そんな風に私には感じられます。

まあ、わからない人には、わからないのでしょうけど、、、


以下は、ちょっとしたメモ。

環境庁資料「原発事故由来の放射性物質」の項「ALPS処理水とは」に書かれていることが面白い。

①トリチウム以外の核種をALPS処理で浄化し、②海水による希釈(100倍以上)を通じ、同濃度も規準(60,000ベクレル/L)を大幅に下回る値(1,500ベクレル/L)に下げた上で(トリチウム以外は規準の1/100以下)、海洋放出。

海水で100倍以上に希釈した状態で、トリチウム以外は基準(60kBq/L)の1/100以下、トリチウムは1/40以下としているわけですから、希釈前の状態ではトリチウム以外は基準ぎりぎり、トリチウムは基準の2.5倍というわけですね。まあ、以上と以下を相殺していますので、この値は前後する可能性が高いのですが。

1 thoughts on “「有限の地球海洋水」が基本

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