谷本真由美氏の9/9付けアゴラ記事「醤油チュルチュルと日本人の平和ボケ」へのコメントです。
たしかに、ずるをすることで出世する人が多いことは事実かもしれませんが、それがあたりまえか、となりますと、必ずしもそうではないのではないでしょうか。
おもしろい話が、スティーヴン・レヴィットとスティーヴン・ダブナー著「ヤバい経済学」にありました。この本、各種統計的事実から経済に限らない社会現象の裏側を探る書物で、我が国の相撲の八百長疑惑なども扱われております。
その一つに、ベーグル無人販売における統計データから、出世する人に倫理的問題をもつのではないか、との示唆が得られております。つまり、こういう話です。
彼は、会社での地位が高い人のほうが低い人より支払いをごまかすことが多いと考えるようになった。そう思うようになったのは、フロア3つ――一番上が役員フロア、下2つが営業、サービス、管理に携わる従業員のフロア――に分かれた会社に何年も配達を続けてからのことだった(役員たちの特権意識がいきすぎてそういうことになったのかもとフェルドマンは考えている。彼が考えていないのは、そもそもそういう連中はインチキしたからこそ役員になれたのかもってことだ)。
つまり、両スティーヴン氏はたぶん「インチキしたからこそ役員になれたのかも」と考えているのでしょうが、ベーグル販売をしているフェルドマン氏はそうは思っていない様子です。まあ、顧客を悪く言わないだけのことかもしれませんけど。
ヤバいね