中村仁氏の9/25付けアゴラ記事「ジャニーズ事件で警察・検察を叩かぬメディアや識者ら」へのコメントです。
ジャニーズ事務所の性犯罪事件に関して、「メディアが司法当局の怠慢を叩かないのはなぜか」、という疑問に対する答えは「司法当局がメディアに忖度した」ということではないかな? なにぶん、メディアはテレビ局の経営に深くかかわっており、テレビ局はジャニーズがつまずくと困る。
メディアと司法当局を含む官庁が利益共同体的動きをする理由は、魚住昭氏がその著「官僚とメディア」で指摘されるように、メディアが官庁からのリーク情報に依存しており、一方で、官庁は自らに対する批判を好まない、といったメカニズムが存在するのでしょう。
しかしこの「リーク」も、じつは国家機密の漏洩であり、本来、官僚がしてはならないことなのですね。この部分をきちんと取り締まることで、官庁とメディアの腐れ縁を断ち、我が国の官庁に不祥事をしない、させないという緊張感を与えることもできるのではないでしょうか。
そういえば、最近ありました立民小西議員と高市大臣の泥試合でも、官庁からのリーク情報が大活躍しておりました。この手の国家機密漏洩も、本来は問題視されなくてはいけない。これに我が国のジャーナリズムがだんまりを決め込んだのも、じつは、上のような問題と通底しているからだったのでしょう。このような問題は、それ相応の組織を作り、きちんと運営すれば防ぐこともできるでしょう。そもそも、そうしないことには、国家の安全上も問題なのですね。
メディアや官庁が現状の体制を作り上げている理由は、それが経済的に有利であるという理由によるのでしょう。しかし、人は経済を超えた精神的価値も追い求めるもの。それに気づいたのが20世紀も終わりに近づいたころだったのですね。まあ、社会には進んだ部分も遅れた部分もある。しかし、精神的価値を重視する方向に世界が動いていることは確かだし、これに抵抗するのは愚かなことであるように、私には思われます。
ジャニーズ恐ろしい