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日本経済の足を引っ張ったのは

増田悦佐氏の11/8付けアゴラ記事「強い日本経済:足を引っ張っているのは円安と超低金利」へのコメントです。


1980年代半ばに日本円は1ドル250円というかなりの低水準から1ドル150円への大幅な円高を招き寄せることに成功しました。円の為替レートが高くなるのは、それだけ諸外国から多くのモノやサービスが買えるわけですから、全国民の利益です。

これ、誰が円高にしたのか、理解したうえで書かれているのでしょうか? まずは、Wikipediaの「プラザ合意」あたりを読まれることをお勧めします。

まあ、読者の手間を省くために簡単に言ってしまえば、70年代から80年代前半にかけて、自動車、電機などを中心とする日本の産業は、世界に対して圧倒的に強かった。環境面で優れ、省エネルギーで優れ、機能的にも信頼性も優れていた。そして、安価でもあったのですね。1979年には、ジャパンアズナンバーワンなどという書物すら出版されていたのですね。

だから日本製品は世界中に輸出され、その「集中豪雨的輸出」が世界の産業界を傾けてしまったのですね。まあ、ハッキリ言って、これはやりすぎで、世界各国が文句を言うのもやむを得ない。だから、日本製品にハンディキャップを与えるような形で、円高に誘導した。

これは、我が国の国民にとってはうれしい話、ドル建てでみたら給料も資産も倍増したのですが、産業界にしてみたらコストが倍増。バブル経済などというあだ花はあったのですが、日本の産業界はこれ以来低迷を続けたわけです。結局のところ失われた30年の大元の一つはここにあった。それがここ1-2年の円安で元に戻りつつある。日をまた昇らせるチャンス到来です。このチャンス、無駄にしてはいけません。

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