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この先が難しい日本再生への道

池田信夫氏の12/24付けアゴラ記事「『進駐軍クロダ』が日銀に来襲して去った10年」へのコメントです。


しかし肝心のインフレ目標は未達で、潜在成長率はほぼゼロになり、実質賃金はG7で最下位になった。日銀の供給したチープマネーはグローバル企業の資本コストを下げたが、ほとんど海外投資に使われ、国内の成長や雇用には貢献しなかった。ゼロ金利の資金はゾンビ企業の延命に使われ、労働生産性も下がった。

この部分をどう考えるかは難しいところです。成長率がほぼゼロの原因は、チープマネーの存在かといえば、そうではないはず。元々の1ドル100-120円の為替水準は円が強すぎて、国内工場が海外に移転する方向に動いていたところに、1ドル80円などという円高のために空洞化が一気に進んでしまった。この問題と、日本社会が情報革命に乗り切れなかったことが最大の問題でしょう。

低金利でグローバル企業が一息つけたことは我が国には救いでした。国内生産工場が海外に出ても、きちんと利益を上げられたから、経常収支の黒字は保たれたのですね。これがなければ、円安とインフレが我が国を襲ったはず。外貨を稼げる産業がない国々の経済危機は、いずれも深刻なものになってしまいます。

日本のあるべき道は、1980年代以降の米国の政策がお手本になるでしょう。彼らは、プロパテント政策、セマテック、NIIなど、当時急速に発展していた情報電子産業に集中的に資源を投入し、その結果、情報産業でGAFAに代表される米国企業が世界をリードするようになったのですね。

我が国も、戦後の焼け跡からの復興には、石炭などへの傾斜生産をやったし、60年代の貿易自由化への対応には通産省が指導力を発揮した。いまは、同じようなことをなすべき時なのですね。集中すべき対象は、情報電子もありますが、医療、エネルギーの二大分野も狙うべきでしょう。国内産業のシフトを可能とするよう、低めの金利を保ち、為替は150-180円/ドルあたりが適当ではないか、という気もします。このあたりは、きちんとした定量的な分析が望まれるところです。

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