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適正為替レベルは150-200円/$

永江一石氏の2/28付けアゴラ記事「ニセコに行って思いついた新事業を並べるのでやりたい人はわたしまで」へのコメントです。


円安が続くと輸出しているグローバルな企業はいいが、輸入は円安で食品や燃料は騰がるからインフレになる。グローバル企業に勤務していたり、インバウンドの恩恵を受ける仕事は良いが、まったく関係のない中傷零細企業に勤務していたり、インバウンドが来ない飲食は原価高騰で利益が圧迫される。

「現在を円安」と問題視する見方は日本に根強いのですが、「少し前までの1ドル100-120円といったレベルは異常な円高だった」という見方も必要です。こんなことになりましたのは、1985年のプラザ合意で各国協調しての円高ドル安の介入がなされたからです。実は、これが、日本の失われた30年の一つの要因であったと考えられております。

プラザ合意の時点で、あるべきドル円は165円/ドル程度だったのですが、円高はとどまるところを知らず150円を割ってくる。これは行き過ぎと、ルーブル合意により、今度は行き過ぎたドル安を止めようとしたのですが、この動きは止まらなかったのですね

この結果、我が国は深刻な「円高不況」に陥り、景気対策として金融を緩和したらバブルが発生、1990年以降は「外需から内需へ」の掛け声で公共投資を盛んにしたのですが、国債発行残高が積み上がる。小泉行財政改革で効率化を図ったのだけど抵抗勢力が強くて不十分に終わる。

で、リーマンショックで行き過ぎた円高がさらに進んで、国内工場が海外に逃げる空洞化が進む。インバウンドは良いとしても、じつは生産性が低い、途上国的産業なのですね。こうなりますと、円の異常な高値は続かない。1ドル150-200円あたりの、本来あるべきレベルでバランスするのではないでしょうか。

1 thoughts on “適正為替レベルは150-200円/$

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