長谷川良氏の4/22付けアゴラ記事「人類が直面してきた『3つの侮辱』」へのコメントです。
サイード著「オリエンタリズム」によれば、ヨーロッパ文明が東方世界を知った段階で、既にキリスト教の教義は否定されてしまっております。(参考)
キリスト教の教義によれば、神がエデンの園で人間に言葉を授けた、とされていたのですが、その言葉とされたヘブライ語が最古の言葉でもなく、神に由来するものでもないことが明らかになってしまったのですね。
そもそも人類の太古の文化は、エジプト、メソポタミア、インダス、中国に代表される四大文明があって、これがギリシャ、ローマを経て、未開でありましたヨーロッパ全土に広がっていったわけです。
そういった歴史的背景を無視して、進んだ西欧に対して遅れた東方世界(オリエント)を位置づける西欧文明の基本的考え方に無理があったわけだし、その教義がつまるところキリスト教であったわけですね。
ダーウィン、ニュートン、フロイトらが新しい知識を人類に授けたことは確かでしょうけど、人類は基本的なところで未だ未開の段階にある。なにぶん、神の名を唱えながら殺し合いを続けているのですから。これこそ最大の侮辱だと思わなくてはいけません。