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円安の原因と「正しい対応」は

ゆな先生の5/3付けアゴラ記事「円安の本当の要因とその背景の解説」(Xポスト転載)へのコメントです。


かつて世界最強を誇った日本の家電や半導体は、無能な経営者たち、新しい技術を学ばずついていけなかった労働者たち、IT技術を無視した人たち、様々な要因によって落ちぶれていった。

「様々な要因」の中に入っているのかもしれませんけど、我が国の家電や半導体を没落させた重要な要因は「行き過ぎた円高」でした。もちろんその他に、我が国の産業界が情報革命に乗り損ねたという要素も非常に大きいことは事実です。

今日円安が進むのは、経済の教科書的には、あたり前の話です。GAFAに代表される情報産業の牽引により絶好調の米国経済に対して、日本経済は1995年以来停滞が続いている。GDPも給与総額も、この30年間というもの、全然伸びていない。物価も日本はデフレ状態が続く一方で、米国はインフレが問題になる。ならば日本は低金利を続けるのは当たり前で、米国が金利を引き上げるのも当たり前。そして、円安ドル高になるのも当たり前なのですね。

だからここで、日銀がドルを売って円を買ったところで、急激な円安を演出して一儲けをたくらむ投機筋にダメージを与えることはできたとしても、円安傾向を止めることは難しく、ドル円の落ち着きどころをじっくりと探るしか手はありません。それは、我が国の産業の苦境を救うことは確かであり、現に多くの企業利益は上向きとなっております。

円安は、かつて先進国であった日本という国が、発展途上国化する道なのですが、実力がそうなのだから仕方がない。これが嫌なら、日本の経済力を高めること、情報革命や優れた技術をものにすること、それには優れた人材を引き留め、大いに活躍できる環境を作ることです。幸い日本にはまだ過去の蓄積がある。まだ動きようがある。これが尽きる前に手を打つこと、つまらぬ小細工を弄するのではなく、実力を高めるよう体質を強化すること、これに尽きるのではありませんか。