金子勇氏の5/5付けアゴラ記事「単身者本位社会と『世帯単位』」へのコメントです。
いつも不思議に思うことは、65歳以上を「高齢者」として、生産年齢人口から除外していることなのですね。我が国の健康寿命は、「2019(令和元)年の健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳」ということで、70過ぎまでを現役世代と見做すことに、健康上の問題があるようには思われません。
問題があるとすると、高齢者がいつまでもポストにしがみついてしまうこと。企業が働かないおじさんを抱え続けるとしたら、これは大問題であるわけです。
でもこの問題は、雇用の流動化を促進することで解決されるはず。企業の側には、一定の金銭を支払うことで、任意の時に従業員の解雇を認めること、従業員の側には、若年層に不利な年功賃金制度や定年退職を優遇する退職金制度を禁止することで、年齢にかかわらず転職を容易とすることなど、社会制度を変えていくことで、解決されるわけですね。
これらの雇用の流動化は、高齢化の問題以外にも、新しい技術へのキャッチアップを促進し、時代に合わせた経営組織への変革を容易にするなど、我が国の経済にも大いにプラスがあるはず。なぜそうしないかは、大いなる謎です。
まあ、一つ理由があるとしたら、今の日本社会をリードしている人たちが、実は自分たちが無能であり、人材の流動化が実現した時に真っ先に追い出されるであろうと自覚しているのではないか、という気もするのですが、これは内緒にしておきましょう。
働きたくない