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21世紀は「日本の世紀」かも!

手塚宏之氏の5/23付けアゴラ記事「21世紀も米国の世紀:世界最大のLNG輸出国になった米国の僥倖」へのコメントです。


エネルギー白書2015によれば、シェールガスの損益分岐点となる天然ガスの百万BTU当たりの価格は、最低2.65ドル、最大8.1ドル、平均4.85ドルということで、本年4月の米国の天然ガス市況1.60ドルで、シェールガスの最低損益分岐点をも下回っております。つまり、現時点の価格では、シェールガス採掘は軒並み赤字となってしまいます。https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2015html/1-1-1.html

とはいえ、天然ガス市況は変動が激しく、ロシアがウクライナに侵攻した2022年8月には米国の天然ガス価格は8.79ドルと急騰しております。ちなみにこの時のヨーロッパでの天然ガス価格は70.04ドルと、驚異的な高値を付けております。このような時に、米国のシェールガスに世界の目が集まるのですが、それが必ずしも継続してくれないのが問題なのですね。https://ecodb.net/commodity/group_ngas.html

問題はこの先で、世界の天然ガス資源は、枯渇する方向に向かう。ならば価格は上がる方向に動くと予想されます。そういう意味では、米国のシェールガス業者の未来はバラ色です。でも、2030年代には核融合技術が実用化するのではないかとみられております。これが実現すると、核融合発電のコストにもよりますが、エネルギーを巡る状況は一変することが予想されるのですね。

今世紀は、まだ始まったばかりで、3/4は残っている。2030年代から先にしたところで、今世紀の2/3ほど残っているのですね。その時、わが世の春を満喫するのはどんな国か。それは資源国に代わって、技術力で世界をリードする国ということになる。

我が国は、核融合技術では、世界のトップクラスにある。磁場閉じ込め技術で長い経験があり、加熱用の電磁波を発生するジャイロトロンを世界に先駆けて製造した。強力な磁場を発生するための超電導技術でも世界をリードしている。問題は、優れた研究者が日本に居着かないこと。ここを何とかして、研究環境を整備すれば、21世紀の我が世の春を満喫するのは日本ということになるのですが。

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