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続、日本のコロナ対策の優秀さ

池田信夫氏の5/31付けアゴラ記事「行動制限は有害無益だったが、ワクチンは有害有益だった」へのコメントです。(山本いちろうさんの解説が参考になります。)


移動を「8割削減」しないと3ヶ月で42万人死ぬと予言したが、死者は900人だった。

この言説は繰り返し語られているのですが、これは「予言」というような代物ではなく、さまざまな仮定を置いた確率過程モデルでの計算結果に過ぎないのですね。(実際には、多少の誇大もあったようですが、これはコミュニケーション上の問題です。)

この仮定とは、対策を打たない場合に、一人の感染者が他の免疫を持たない人に感染させる人数、すなわち「基本再生産数」を、これまでの実績から与える。感染機会を減少させれば、これに応じて再生産数が低下する、という考え方で、「移動を8割削減」というのは、感染機会を8割削減させる、ということでしょう。

これは別にロックダウンに限らず、マスクをしたり、手を洗ったり、換気をしたりといった対策も感染機会の低減には役立つ。実際にそういう対策も広く行われていたのですね。対策をしたのだから、42万人死ぬような事態が避けられた。死者が900人で済んだことは、大成功だったのではないでしょうか。

なお、5類への格下げで経済が急速に改善したことは事実であり、この対応が遅れたとの批判は的を得ているように思われます。しかし、対策を緩めれば感染が拡大するリスクも高まり、当局サイドとしてはなかなかこの決断に踏み切れないこともまた理解できます。この程度のミスは許容範囲であるように、私には思われます。

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