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自由主義と右翼は異なる対立軸

與那覇潤氏の6/5付けアゴラ記事「自由主義はウヨクなのか?」へのコメントです。


このエントリーは、いくつかの対立概念が混乱して使われているように思われます。まず、自由主義ですが、これは権威主義に対立する概念で、己の思想や行動の決定権を自らがもつか、上位の者に決定権をゆだねるかという違いがあります。

「自由主義と権威主義」とほぼ同様の対立概念が「個人主義と全体主義」で、個人を優先する個人主義は自由主義と重なり、全体を優先する全体主義が権威主義と重なっております。

右翼と左翼は、「資本主義と共産主義」の対立で、共産主義の代わりに社会主義が置かれることもあります。そして、共産主義なり社会主義は、理性に基づく論理・理想を尊重する結果、権威主義、全体主義的傾向を持ちます。

一方の右翼も、民族的紐帯を重視すれば全体主義に偏りがちなのですが、アンチ左翼的言動のものをネトウヨなどと称する場合、単なる自由主義の発露が右翼と呼ばれているかもしれないことに注意しなくてはいけません。

最後に、平時と緊急時ないし戦時の違いを理解しないといけない。人々に自由が認められるのは、平時であることが前提であり、社会全体に大打撃が加わりかねない緊急時にあっては、個人の権利も制限されなくてはいけない。このあたりは、今日の左翼が混同しがちなのですが、なに、彼らが政権を取れば、前言撤回にとどまらず、緊急事態が継続するだけの話だと、私は睨んでおります。

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