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なぜと二回訊けば判る解決の道

永江一石氏の6/7付けアゴラ記事「このままの社会保障ではあと15年で消費税30%以上が確定します」へのコメントです。


「『なぜ』と5回訊け」などという言葉がトヨタにはあるそうですが、国債残高の推移をみるとき、少なくとも二回「なぜ」と聞かなくちゃいけません。

まず第一は、1995年頃から国債残高が急増している理由です。この理由は「円高不況対策」で、1985年のプラザ合意を受けてドル円が200-250円から150円を割り込むレベルに落ち込んだことによります。不況対策は市中に供給するキャッシュ増で行い、通常は金利を引き下げるのですが、バブル対策として金利を引き上げたため、公共投資の拡大に頼った。その資金に充てるため、多額の国債を発行しました。

第二の「なぜ」は、2004年以降の数年に国債発行残高がフラットになったのはなぜか、という点で、小泉行財政改革を受けて数年は歯止めがかかっております。ただし、リーマンショックと民主党政権時代の異常な円高により、元の木阿弥となっております。

ならば、国債発行残高に歯止めをかけるために何をしなくちゃいけないかは、およそハッキリしている。先ずは、日本の産業の国際競争力見合いの為替水準に戻さなくてはいけないということ。プラザ合意時点では、この水準は1ドル165円前後とみられておりましたから、このあたりまで戻せば、少なくとも「円高不況対策」は不要となり、経済は自力で成長するはず。現在の為替水準は、すでにこれに近いレベルまで戻しております。経済が成長すれば、インフレ傾向にシフトし、実質的な国債残高は、それだけでも減少します。

第二にしなくてはいけないことは、行財政改革、構造改革を更に進めなくてはいけない。官庁の統廃合も、たとえば厚生労働省を、社会保障関連は国税庁に統合し、医療関係は文部科学省に統合するなど、行政機関をよりスリムにするとともに、情報技術を活用する形に業務プロセスを見直し、定員の削減を図らなくてはいけない。リーマンショック以前を見れば、これでバランスしそうなものですが、それでもなお不足する資金は、消費税の多少の引き上げで補えばよい。さほど解決の難しい問題でもないように思えるのですけどね。

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