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経営思想の変化と、人事の役割

黒坂岳央氏の6/9付けアゴラ記事「SNSの人事アカウントがよく炎上する理由」へのコメントです。


1990年ごろから、経営の世界で大きな変化が起こっているのですが、これについていけない人たちがまだ多数残っているというのが大きな問題であるように思えます。実に、30年という年月を経ても、まだそうであるということが、我が国企業の大問題であるのかもしれません。

何が変わったかといえば、従来の言語・論理・理性での割切りから、より情緒的・感性的部分を重視する経営にシフトしたということで、ROEや成長率などの数値指標を重視していた従来の経営から、ブランドイメージや企業の存在意義(バリュー)の重視へとシフトしているのですね。「管理:コントロール」という言葉が嫌われて「経営:マネージメント」という言葉が好かれるようになったりもしています。

この変化が生じた一つの理由は日本にもあって、1979年に出版された「ジャパンアズナンバーワン」にも象徴されるように、日本的経営に関心が集まり、その非論理的、情緒的部分が注目された。もちろん、家族的経営にみられる父権主義(パターナリズム)は最初から否定されているのですが、小集団活動などの、個々の従業員の自発性を重視する経営のあり方が注目されております。

この時代は、コンピュータ技術が急速に発展し、インターネットが世界をカバーするという技術面での一大変化が生じた時代でもあり、OPECの興隆や米国のベトナム戦争敗北などに象徴される西欧一極的世界構造の崩壊、そしてソ連邦崩壊という、社会的にも大きな変化を迎えておりました。思想的には、多文化並存のポストモダン思想がもてはやされるようになったのですね。

そうした時代において、従業員一人一人が独立した個人、専門能力により、それぞれのポジションを任されたプレーヤーとして振舞う必要があるし、マネージメントもこれにふさわしい対応をしなくてはいけない。その重要な役割を担うのが人事パートなのですが、なかなかここに気付かない人も多いというのが、残念な現状なのでしょう。もう少し勉強すればよいと思うのですが、、、

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