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ドル円シナリオ三つ。怖いのは

内藤忍氏の6/23付けアゴラ記事「『1ドル=200円台』に備えよ」へのコメントです。


為替レートの予想をするのは簡単ではありませんが、最悪のシナリオとして今後更に円安が進むことが考えられます。1980年代のように1ドル=200円台にドル円レートが戻ることも想定しておく必要があります。

どれが最悪のシナリオかは判断に迷うところですが、シナリオとしては三つあり得るでしょう。先ずありそうなのが(1)150-200円/$のレンジで落ち着くこと、第二にありそうなのが(2)100-130円/$に戻すこと、第三のシナリオが(3)200-250円/$に円安が進むことです。

プラザ合意時点に考えられた好ましいドル円水準やその後のルーブル合意から考えるとシナリオ(1)がありそうなところです。しかし、その後の日本の弱体化、つまり、かつて日本が強かった製造業が新興国にお株を奪われる一方で情報革命に乗り遅れ米国の後塵を拝している点を重視するとシナリオ(3)の超円安という可能性もないではない。しかし、私が最も恐れているのは円高に戻すシナリオ(2)なのですね。

このシナリオが現実味を帯びておりますのは、日米の政治状況により、それぞれ必ずしも好ましくはないと思われる政策が採用される恐れが多分にあるからなのですね。つまり、日本におきましては9月に予定される自民党総裁選で、岸田氏の再選が困難で、小石川連合にとってかわられる恐れがあること、その後の総選挙を考えれば、国民人気の高い石破氏が総理になる可能性も高いということなのですね。で、この方は、新聞論調をなぞるようなことをしばしば語られる。為替に関しても、国民受けの良い円高指向を打ち出してくる可能性があるのですね。

一方の米国におきましても、11月の大統領選挙でトランプ氏が勝つ可能性が高まっております。この方は「円安大惨事説」を唱えており、円高を指向する可能性が極めて高い。日米がこの調子では、年末から来年初頭にかけて、一気に円高に転ずる恐れが多分にある。そしてこれが日本円の通貨危機にまで進む恐れもある。最も警戒すべきは、このリスクではないか、というのが私の偽らざる気持ちです。

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