横須賀輝尚氏の6/29付けアゴラ記事「なぜJALの会社更生法適用は叩かれた? 意外と知らない『倒産』の仕組み」へのコメントです。
表題の「なぜJALの会社更生法適用は叩かれた?」ですけど、JALの場合の一つのネックは企業年金だったのですね。https://toyokeizai.net/articles/-/3627
企業年金は、退職者からJALがお金を預かり、あらかじめ約束した利回りで年金の形で退職者に支払うという形を取ります。預り金は、JALにしてみれば借入金のようなものですが、これは未払い給与と同じ、労働債務であり、企業が倒産したからといってなくなるものでもない。
だから、年金は100%保証すればよいようなものだったのですが、この年金が、一般国民から見て、かなり高額だったのですね。まあ、高給取りのパイロットたちですから、年金が高額であるのもやむを得ないことなのですが。
しかし、税金を投入して再建するのに、高額の年金まで保証しなければいけないのはなぜだ、などという国民の声が高まったため、会社更生法適用が叩かれる結果となってしまった。最終的に、現役5割、OB3割の年金カットで妥協したのですが、これは、労働者保護の観点からは、悪しき前例を作ったのではないか、という気がいたしますよ。高額年金を税金で保証することに対する国民の非難はわからなくもないですが、これは、妬み嫉みのなせる業。労働者保護という観点は、忘れちゃいけない、譲れない一線だったはずなのですね。
全く、民主党政権が何を考えていたのか、私にはさっぱりわかりません。まあ、ポピュリストだからね、といわれれば、思わず納得してしまうのですが。
ペンションとはペンションのことでペンションのことではない。