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地球温暖化対応は日々の仕事で

杉山大志氏の7/13付けアゴラ記事「気候危機を煽る為の非現実的排出シナリオ」へのコメントです。


図に示されております、EIAの予測に近いSSP2-4.5は、妥当な予測であるように思われます。といいますのは、2050年ごろには原油資源枯渇の影響が現れるはずですし、核融合の実用化も始まるとみられているからなのですね。

もちろん、現在では、シェールオイルやシェールガスがこれら化石エネルギー資源埋蔵量にプラスされており、過去の予測よりも資源の枯渇は先になるはずですが、これらの採掘はコスト高で、これまでのようにじゃぶじゃぶと使うわけにもいかなくなるはずなのですね。

もう一つのグッドニュースは、今世紀末の炭酸ガス濃度が700ppm程度まで増加する、SSP2-4.5とSSP3-7.0の中間のシナリオは、たしかに海面上昇などにより一部の地域では困難も生じるでしょうが、世界の穀物生産の潜在力はこれまでよりも増加することが予想されております。今日の世界の悲劇が、気象変動よりも飢えによって多く引き起こされていることを考えますと、このようなシナリオを人類が引き受けることは悪い話ではないと思います。https://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/result/result14/result14_30.html

上にURLを示しましたレポートでは、穀物生産能力が増加する国がカナダとロシアで6~9倍、中国2.1倍に対して、米国は-30%、ヨーロッパの小麦、トウモロコシ栽培可能地は消滅するとのことですが、世界全体の穀物生産量は1.7倍程度に増加すると期待され、マイナスの影響の現れる欧米で飢餓の恐れがさほどないことから、受忍可能な結果ではないかと思われます。

要は、地球温暖化という問題は、さほど恐れる問題ではなく、エネルギーに関する技術開発を着々と進めておくことと、気候の変化に応じて穀物栽培地域を変化させるなどの、地道な対応が求められている、ということ。たいへんだたいへんだと大騒ぎするのではなく、日々の仕事をまじめにやること。これに尽きるのですね。

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