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縮み続ける日本経済への処方箋

小川製作所さんの7/28付けアゴラ記事「1人あたりで見る直接投資:投資する国とされる国」へのコメントです。


直接投資の総額に関する以前のエントリーにもコメントを付けましたが、【日本に対する直接投資が少ない】という事実は、【日本経済の先行きが真っ暗である】ということと同義であり、深刻な問題ととらえなくてはいけません。https://agora-web.jp/archives/240711210040.html

つまり、投資とは、雇用と先々の利益を生み出す元であり、技術の進歩と産業の代替わりを考えれば、投資が少ないということは、経済がこの先シュリンクするということ、生産性の高い(稼げる)仕事が減り、収入も減って、税収も減る、という意味なのですね。これは、国民にとっても不幸な話であり、なぜそんなことになったかを解析して、対策を取らなくてはいけません。

なぜそんなことになったか。一つには、人件費が増加したから、という理由が多くの発展途上国で見られる理由で、低賃金が高度成長を支えていると、必然的に生じる現象です。でも、これは、産業構造をより生産性の高い形に変えていくことで解決できる。鍋釜中心の金属産業や繊維産業から、電機電子機器や自動車といった高度な産業にシフトすることで、高い賃金の払えるようにすればよいのですね。

我が国の問題は、1985年のプラザ合意以降の円高で、ドルベースの賃金が世界最高レベルに達した。この結果日本企業の国際競争力は失われ、経済の先行きに赤信号がともる。一方で、1990年代に勃興した情報革命にキャッチアップ出来ず、新しい産業分野に出遅れた。せっかくのチャンスをものにできなかったのですね。

その原因は、固定された業界構造、雇用環境がベースにあったわけで、これを改善しない限り、低賃金に甘んじるか、あるいは経済がシュリンクするしかありません。結局のところ、この問題に対する処方箋は、ある程度の円安に甘んじて労働コストの上昇を押さえつつ、規制緩和などの社会的措置により高度技術に対応できる産業構造に変換するしかないでしょう。居眠りしていて稼げるほど、世界は甘くはないと思うのですが。

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