池田信夫氏の7/28付けアゴラ記事「フランス革命より明治維新のほうが『普通の革命』だった」へのコメントです。
血なまぐさい行為を貴ぶのも趣味の良い話ではありませんが、そもそも「革命」などというものは「普通ではない」ところに価値があるのではないか、という気も致します。
フランス革命が人類の歴史に大きな意味を持つのは、それが「国民国家」の誕生を告げる画期であった、という点でしょう。もちろんそれ以前にも「国家」は存在したのですが、それらは基本的に「国王」の支配するクニであったのですね。
このような考え方は、英国が先行していたことはあったでしょうけど、後世への影響という意味で、フランス革命は大きな意味を持ちますし、フランス人がこれを誇るのも当然で、現代的な価値観を持つ人々が、これに同意を示すのも納得のいく話です。
明治維新も、目指したものは国民国家であったのですが、それができたのもヨーロッパ諸国というお手本があってのこと。上からの革命というのも、秩序の維持という意味では悪いことではない。まったくの手探りでこれをやってしまったら、そこらじゅうで流血の惨事が起こるわけで、それをフランス人たちが乗り越えてきたことは、ある意味やむを得ないことでもあったし、そのおかげで我が国の革命が少ない犠牲で済んだことも一面の真実でしょう。
そりゃフランス革命にしても、もっと賢いやり方はあったとは思いますが、歴史にそんなことを言っても始まらない。この歩みは、それなりに貴重なものであった、この犠牲は、この先の人類の歴史にも生かすべき、と考えるしかありません。
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