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岸田氏の作戦なら面白いことに

岡本裕明氏の8/1付けアゴラ記事「金利が上がった…:黒田前総裁が壊した金融政策を元に戻しているだけ」へのコメントです。


記事を読む限りメディアは今回の利上げを「よくやった」という感じでは捉えていません。むしろ与党あたりからの外圧で日銀はそれに負けたのではという声すら上がりそうですが、個人的には違うと思います。あくまでも私見ですが、黒田前総裁が壊した金融政策を植田総裁が元に戻しているだけだと思います。

いろいろ難しい問題を含む記述ですが、最後の部分は「黒田前総裁が壊した金融政策を植田総裁が元に戻している」のではなく、「白川元総裁が壊した金融政策を黒田前総裁が元に戻し、仕上げを植田総裁が行った」というのが正しいように思います。少なくとも、民主党政権時代の1ドル70円台の円高は異常でしたし、この時代に進んだ国内産業の空洞化は、日本の経済力に大きな傷跡を残してしまいました。

で、真ん中の部分ですが、これが岸田氏の作戦だとすると、なかなか食えない方です。つまり、他の総裁候補が円高路線を主張しそうであったことから、機先を制して岸田氏が総裁選前の円高を狙ったということですね。円高は物価の安定化に直結し、国民の支持率が上がる。自民党の支持率が上がれば国会議員も悪い気はしない。そして、岸田氏に先手を打たれてしまうと、他の総裁候補は同じ主張ができなくなってしまいます。

もちろん、円高は、日本企業の競争力を弱め、収益を悪化させて、給与を下げる作用をいたします。でもこれらが問題になるのは来年春以降、総裁選が終わったのちの話。もしもまずい兆候が現れたら、総裁選後に軌道修正すればよい。いったん総裁になってしまったら、あとはどうとでもできます。

とまあ、そういう仮説が成り立つのですが、これが正しいと致しますと、ここは千載一遇のチャンス。相場を手掛ける人にとっては、ということですね。まあ、この手のことをあまり大っぴらに書くことははばかられますが、つまりはそういうこと。この先の経済ニュースには、聞き耳を立てておかなくてはいけません。

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