池田信夫氏の8/7付けアゴラ記事「黒田日銀の過剰流動性が100兆円の『円キャリートレード』を生んだ」へのコメントです。
円キャリートレードが異常な増加となった背景には、何らかの異常な事態が生じていたということはその通りでしょう。このコメントでは、本エントリーとは多少異なる視点で議論してみましょう。
そもそも円キャリートレードが成り立つためには、本エントリーでも述べられている通り、「今後円高に向かうことはなかろう」との予測が成り立つことが前提となります。つまり、現状が行き過ぎた円高にある、ということですね。現状が異常な円高であれば、将来起こるべきは円の下落であり、安心して円が売れる。そういう意識がこの背景にあったわけです。
この大原則を忘れた人たちが、異常な円高を脱して円の価値が低下した時点でもキャリートレードを続ける。これが極めてハイリスクな行為であることに気付かなかった。いうなれば、マーケットというものがわからない素人投資家が無茶して、それがはじけた結果狼狽して大損こいた。それが現状ではないかな?
(1ドル120円前後という)異常な円高時代にキャリートレードをするのは当然の経済行為で、「日本の投資機会が乏しい(だから金利が低い)にもかかわらず『異常に高い円』」を売って、「投資機会が豊富で利回りも高いドル」に投資するのは通常の経済行為です。これが成り立つ背景には、『異常に高い円』を買い続けた人たちがいる。この人たちはここ1-2年の円の下落で大きな損を出しているはずですが、それが問題になっていないのは、いずれかの国家レベルで投機がおこなわれていた、ということかもしれません。
一方、日本の株価上昇はバブルと似ていますけど、1980年のバブルと異なる点は、実力を伴っている点で、PERは低く利回りが高い。この低金利下で利回りの高い株を買うのは普通の経済行為なのですね。その他の要因として、中国を中心とするカントリーリスクを回避する目的でのアジアマネーの流入もあるのでしょう。こちらは、中国バブル(これは本物)がはじけた時に動くはずで、こちらの影響も少々心配なところです。
私は損はしてないぞおおおお
しおになっただけやぁあああ