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日本経済を救う?岸田氏の奇策

永江一石氏の8/9付けアゴラ記事「NHKの8月の世論調査による『日本経済なんてどうでもいい』人たちとは」へのコメントです。


つまり政府は高齢者の意見を聞いてインフレを止めるために経済を犠牲にして金利を上げようとして大失敗こいたわけです。

本当ですか? インフレを止めよ、そのためには金利を上げて円高にせよという意見は、別に高齢者に限らず、メディアの代表的な主張だったし、多くの評論家もそのように主張していたし、野党も、自民党の総裁選に出馬すると目された方々も(例えば河野氏のブルームバーグインタビュー)円高論者だったし、アゴラのエントリーにもそのような主張が目立っていたように、私には見えたのですけど。

実際問題として、円安万歳などといっていたのは、高橋洋一氏などの、世間からはへそ曲がり、アマノジャク、異端などとみられた方で、彼の主張する「円安近隣窮乏化論」は、時代遅れなどと非難されていたものです。でも、現実には、円安故の日本企業絶好調であったわけですね。そして、日本企業が競争優位であったということは、その裏に泣いている近隣諸国の企業があったとみるのが普通でしょう。世の中、厳しいですから。

まあしかし、今回の金利引き上げに伴う混乱は、岸田氏や植田氏にしてみれば、「してやったり」というところじゃないかと思いますよ。まあ、大きな声でいうわけにはいかないのですが。と、言いますのは、国民が議論を望む「経済政策」とは、じつは、円安傾向を阻止してインフレを止めよというものだったのですが、日本経済を考えればそれは困る、というのが岸田氏の本音だったはずです。

アベノミクスや黒田前日銀総裁の日銀のバランスシート増大による量的金融緩和に批判的な主張は多いですけど、実はこれこそが円安傾向を決定づけた。そして、岸田政権と植田現日銀総裁の路線も、アベノミクスの継承で、いうなればこれがうまくいきすぎの展開となっている。総裁選を前に、この障害となる円高待望論を押さえるためには、今回の日銀の利上げはクリーンヒットだった。いわゆるショック療法ですね。なかなか、隅に置けない方々だと思いますよ。

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