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男共は理解不能なデオドラント

アゴラ編集部の8/15付けアゴラ記事「どうして男性の体臭に苦言を呈したら契約解除される社会になったの?」へのコメントです。


ジョージ・オーウェルの「葉蘭を窓辺に飾れ」の和訳が彩流社から2009年に出ております。これ、詩人を目指していた主人公が恋人を妊娠させて経済的な安定を得るためコピーライターになるのですが、そこで担当するのが「デオドラント」のコピーなのですね。

まあ、そこまでは普通なのですが、「デオドラント」の和訳が「防腐剤」。ちょっと~!といいたいところですが、男性の訳者にはそういう認識が普通なのかもしれません。

以下は蛇足。主人公のこのコピーは好評を博すのですが、この前後のオーウェルの記述が面白い。ちょっと紹介しておきますね。

作家になりたいと思っていた自分が、防腐剤の宣伝文句を書いて今までにない効果を上げることになろうとは、何とも皮肉な話だった。だが彼が思っていたほどに不思議な話ではなかったのだ。コピー・ライターの大半は小説家崩れだという話だった。言ってみれば、コピー・ライター崩れが小説家になるのかもしれない。

小説家崩れのコピーライターといえば、「トリスを飲んでHawaiiへ行こう!」のコピーで一世を風靡いたしました山口瞳さんが元祖的存在ですが、作家とコピーライターを往ったり来たりされている方は、最近も結構おられるようで、オーウェルの慧眼には感服するばかりです。

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