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日本の安月給、理由は明々白々

アゴラ編集部の8/19付けアゴラ記事「日本人はイタリアより労働時間が短くて実質的な時給はルーマニア以下?」へのコメントです。


日本人の賃金が低い理由は明々白々です。不思議なことは何一つないのですね。で、どうすれば良いかもわかっているのですが、誰もそれをしない。こっちの理由がワケワカです。

賃金の低い理由その1は、行き過ぎた円高により、生産性の高い(つまり賃金水準も高い)電機情報産業、自動車産業などの高度な技術を必要とする産業が海外に逃避してしまったこと。その工場で支払われる賃金の大部分は、海外の労働者のポケットに入る、というわけです。

賃金の低い理由その2は、1990年代に勃興した情報革命に乗り損ねたこと。この革命をリードしたのはGAFAに代表される米国の新興企業で、彼らが米国経済を上向かせ、米国の右肩上がりの賃金を実現したのですけど、それが日本にはない。自動車工場に逃げられても、それに代わるビジネスが日本に育てば賃金水準が保たれたのですが、残念なことをいたしました。

賃金の低い理由その3は、我が国の固定的な雇用制度にあり、その結果、技術をリードしてしかるべき高度人材のやる気は世界の最低レベルなのですね。日本の高度人材は、やる気がなければ自己啓発もしない。退職してベンチャービジネスを起こす人もごくわずかというのが実情でした。ここにきて、中途退職してGAFAなどの海外企業に転職する人が出てきたことは、新卒求職者の外資系人気と並んで進歩だけれど、それで日本経済が上向くわけではないのですね。

それがわかれば賃金を上げるのは簡単。先ずは、行き過ぎた円高にブレーキをかけて国内の産業を保つこと。逃げた工場が帰ってくるには高い壁がありますが、新規の投資を国内有利にすることが大事です。雇用制度に関しては、定年まで勤めあげることを有利にしている退職金や年功制賃金を禁止すること。賃金はそれぞれの業務時点で払わなくてはいけないという基本ルールがあるのですね。人材が流動化すれば、情報革命も自動的にキャッチアップされるはず。ここまで来たら、少し長い目で見てやらなければいけません。

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