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「日本は滅びる」…本当です。

岡本裕明氏の8/28付けアゴラ記事「柳井正節「日本は滅びる」…本当だろうか?:立ち上がるのは政治家ではなく国民」へのコメントです。


(柳井氏は)同財団を通じてバングラデッシュの学生に支援をしているのにその学校を卒業後、日本で誰一人働いていないと嘆いています。その気持ちは非常によくわかります。結局、バングラはベンガル人なのでインドと同様、アーリア人を祖先としており、欧州人に親近感を持ちます。白人がなかなかアジアと融和しないのと同様、ベンガル人をアジアの同類に含めるのは地理的にはそうなっても人種的には無理なのです。

これは単なる人種や文化の問題ではなく、日本という国の経済に、将来性が感じられないから、ということではないでしょうか。少なくとも教育を受けた人間であれば、おのれの将来を託せる環境下で仕事をしたいと考えるはず。未来のない国で働きたいと考える人は、あまりいないはず。

だからこそ、柳井氏や永守氏がこの問題を力説する。日本に未来のないことは、別に昭和の熱血漢でなくとも、今日の日銀の姿を見たら一目瞭然。日本に投資機会が乏しいことから、市中に供給されたマネーは銀行経由で日銀当座預金に還流する。経済が成長する国であれば、銀行に不足する資金を中央銀行が貸し出していた。昔流にいう「公定歩合」とは、この貸出金利のことだったのですね。

市中の銀行が中央銀行から資金を借り出すか、資金を預けるかということは、金融システムが正常か、異常かという問題でもある。民間銀行が資金を必要とするから中央銀行は資金の供給量をコントロールできるのですね。金利ゼロでも借りてくれないとなりますと、中央銀行は景気を制御する手段を失ってしまいます。

金融システムを正常化させるために金利を引き上げよ、という議論がしばしば語られるのですが、そんなことをしても、銀行は日銀当座預金口座にお金を預けるだけ。市中に有利な運用先がない状態で日銀当座預金の金利を引き上げれば、日本中のお金が日銀に集まって経済はますます停滞してしまいます。そこまで考えれば、日本の状況は明らかだし、どうすべきかも明白なのですね。つまり、日本に有利な投資機会を作ることでしか、未来は開けない。日本に未来が開ければ、バングラデッシュの学生も日本に来たがるはず。そういうことです。簡単な話です。

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