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どうする?日本のエネルギー源

岡本裕明氏の8/29付けアゴラ記事「日本のエネルギー源は再考すべきか?:今後の展開が悩ましい技術たち」へのコメントです。


いくつか突っ込みを。まず、以下の記述は、石油メジャーによる国際石油カルテルの原油価格支配権が1970年代にOPEC(石油輸出国機構)により奪取され、原油価格の大幅上昇につながったことを指しているのでしょうけど、これは、OPEC側にもかなりの正義があったと思いますよ。

1970年代、原油は有限であり、〇十年のうちに枯渇すると言った研究者の話がまことしやかに流布し、当時は代替燃料の選択肢があまりなかったために原油価格の高騰を招き、またサウジなどは政争の具とするなど市場の需給による自動的価格決定とは違う歪んだ相場を作り出したことは事実でしょう。

小型原子炉(小型モジュール炉:SMR)については、先行きの見通しが怪しくなっております(https://www.renewable-ei.org/activities/column/REupdate/20231120. php)。原発事故の問題は、当初想定していた「百万炉年に一度のシビアアクシデント確率」に抑えておけば何の問題もなかったところ、千年に一度の津波リスクを無視したことが事故原因であり、「百万炉年に一度」を厳密に実現することで、原発事故は事実上避けることができます。

そもそも、多量の放射性廃棄物が存在し、これを10万年も安全に埋設処理できる見通しもないことから、高速炉で300年程度で無害化できるよう処理することが現実的なのですが、処理してできたプルトニウムを消費するためにも原子炉は必要だし、処理するための高速炉が必用になります。これは安全な形で運転するしかありません。

天然ガスの利用についてはその通りで、じつは天然ガスが枯渇しても水素ガスと炭酸ガスから天然ガス(メタン)を合成することができる。原子炉や核融合炉は連続運転が基本ですから、夜間電力が余る。これを用いて水を電気分解して得た水素と、回収した炭酸ガスからメタンを合成して使えばよいのですね。エネルギー技術のロードマップはさほど複雑なものでもないのですが、各社の利害や事情が絡むとややこしくなり、先行きが見えにくくなっているのではないでしょうか。

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