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日本での新型コロナ流行の顛末

池田信夫氏の8/31付けアゴラ記事「『謎の大量死』は終わったが、その原因は何だったのか」へのコメントです。


日本では、2020年にはワクチンがなかったのに、ヨーロッパなどに比べて桁違いに死者が少なく、ワクチンを打った21年から死者が増えた。これはウイルスがデルタ株に変異した影響だろう。この年には(武漢株の)ワクチンを接種したが、ほとんど効果がなかった。

この部分ですが、2021年の7月を境に、新型コロナを巡る状況は一変しております。それ以前の第4波は、感染者が一日あたり最大6,500人、死亡者が同じく115人程度で、致死率は2%弱となっております。この後の弟5波は、一日あたりの最大感染者数が23,000人、死亡者が66人程度で、致死率は0.3%弱と、感染者数が4倍に増加する一方で死亡者が半減し、致死率は一桁低下しております。

2021年の7月に起こったことは、コロナウイルスがデルタ株に変化したことと、ワクチン接種が急速に進んだことであり、感染者が急増した原因をデルタ株の感染力の強さとする一方、ワクチン接種は感染拡大防止にさほど効果がなかったということはできるでしょう。また、致死率の低下は、ワクチン接種による重篤化の防止効果によると考えることもできるのですが、デルタ株自体の致死率がさほど高くなかったためであり、ワクチン自体はさほど効果がなかった可能性もあります。

このエントリーの主張は後者(ワクチンはデルタ株には効果なく、致死率の低さはデルタ株本来の特性であった)なのですが、当時の報道などを見ますと、デルタ株には効果は低下するけど効かないわけではない、とするものでした。この報道内容は、その後否定されたのでしょうか? まあ、ワクチン接種は時間も限られる中での緊急対応であり、いまさらこれを問題にしても始まらないことも事実ですが。 https://www.asahi.com/relife/article/14385610

その他、コロナ流行の初期に日本でこれが軽微であった理由は、当初のコロナ株がヨーロッパと異なる致死率の低いものであったこと、この時期に、マスク着用、手洗い、三密回避などの対策が素早く打たれたことが奏功しているのではないでしょうか。日本人の性質が良い方向に機能した、ということですね。

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