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株式投資の順逆二つのスタイル

濱田康行氏の9/4付けアゴラ記事「名もなき暴落:歴史的な株価急落の本質を探る」へのコメントです。


もし株価が暴落しているときに売れば儲からない訳だから、賢いAIがそんなことをするだろうか? 賢いAIなら、これはチャンスと認識するはずだ。

株式投資には二つの相反するやり方があります。一つは「逆張り」で、株価が下がったら買い、株価が上がったら売る、というやり方で、もう一つは「順張り」で、株価が上昇している過程でホールドし、株価が下落している過程でショート(売り側)とするやり方です。上の言葉は、逆張りだけに当てはまるのですね。

逆張り投資家が売り買いの参考にするのは、PERや利回りで、これらは企業損益に対して株価が高いか安いかという指標で、つまりは企業の価値(バリュー)を判断して、株価がこれを上回るなら売り、下回るなら買う、「バリュー投資家」というわけです。こちらは、資産家や長期投資家に推奨される投資スタイルで、バフェット氏などがその代表格であるわけです。

順張り投資家が参考にするのは、株価の「トレンド」で、高値や安値のピークを結んだトレンド線や、長短移動平均線の上下関係、つまりは、短期が長期を上回れば上昇というわけです。こちらは、ファンドなどの短期投資家が好むやり方で、海外ファンドの多くはトレンドをより正確に検出するストキャスティクスを愛用しているという話を聞きました。逆に言えば、ストキャスの売り買いサインを先読みすれば彼らの上前をはねる可能性もあったのですね。

ところで、トレンドを検出するのは、純粋に数学的な問題でもあり、移動平均線のような古典的手法に対して、今日ではカルマンフィルタに代表される現代制御理論がより精密な予測を与えます。これは プロセス管理などに用いられる手法で私もいくつか特許を出しておりますが、ファンドの方が儲けの大きな世界ですから、天才的数学者を多く抱えているのは想像に難くない。それが時々予測を外すのが、まあ、面白いっちゃ面白い話なのですが。

1 thoughts on “株式投資の順逆二つのスタイル

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