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付加価値半減の「宿泊飲食業」

永江一石氏の9/11付けアゴラ記事「いまの日本に一番必要なのは『圧迫感からの解放』」へのコメントです。


すでに製造業の大多数は海外に移転して、国内はインバウンドで食っていくしかない。

ということですが、インバウンドの問題は一人当たりの付加価値が低いという点なのですね。下記URLは少々古いデータですが、インバウンド関連と思われる「宿泊・飲食サービス業」の付加価値は、製造業の半分程度。つまり、給与もそれなりに低い。かつて製造業で栄えた日本が、この先インバウンドで喰うとなりますと、給与半減を覚悟しなくちゃいけない。 
https://www.sr-inouehrm.jp/_p/4343/documents/nl-201612-srkei.pdf 

「製造業の大多数は海外に移転して」と簡単に言ってしまいますけど、この部分を取り戻すことが、日本人が豊かな生活をするうえで欠かせないのですね。で、製造業が海外に移転した理由は円高ですから、円が安くなれば製造業は再び戻ってくると期待されます。これ、日本が貧しくなれば、自動的に円が安くなり、製造業が戻ってバランスするという仕掛けになっているのですね。

ところが、円安になりますと、輸入品の円建て価格が上昇する。エネルギーも値上げになりますから、国内で作られる製品も、電気や石油を使っておれば値上がりする。インフレで生活が苦しいとなりますと、円高にせよとの声が起こる。これに従ってしまうと、経済の自動制御が効かなくなり、日本の製造業は失われたままになるのですね。製造業を失って観光業で生きるとなると、給与は半減しますので、多少のインフレの方がましだと思うのですが。

と、いうわけで、日本を変えるのは簡単。製造業を日本に戻せばよい。これには、円安を千載一遇のチャンスととらえ、下手に円高に戻そうとしないのが第一。チャイナリスクも同じく大チャンスですから、ハイテク産業の国内立地を目指す。やる気の低い日本の高度人材のやる気を出す雇用制度の改善、これには、終身雇用が得となるような制度を廃止すること。理系人材育成に重点を置く教育制度など、やるべきことは山のようにあります。大変は大変だけど、絶望的ではない。頑張るしかありません。

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