池田信夫氏の9/10付けアゴラ記事「『小泉ジュニア首相』のための10の政策」へのコメントです。
『もしフリ』に描いたフリードマンの提案のうち、2の変動為替相場と5の電波オークションは実現したが、他はほとんど実現していない。
「5の電波オークション」は「9の郵政民政化」の間違いではないでしょうか。電波オークションは、比較的簡単に導入できる政策で、それによって国の収入も増えるし、通信環境の改善も進むはずで、大いにやったらよいと思うのですが。
「2の変動相場制」は、果たして実現しているかどうかは疑わしい。と、いいますのは、為替変動を原因とするインフレの抑制のため金利を操作する、ということが広く行われているからなのですね。
本来は、一国の経済力の低下による自国通貨安は、変動相場制の機能そのものであり、これによる国内物価の上昇は甘受しなくてはいけない。もちろん、国民は幸福を追求する権利があるのですが、経済力が低下したための生活水準の低下なら、経済力を強くする形で回復させなくてはいけないのですね。
金利操作による物価上昇率のコントロールは、不動産など、数が限られているものに対しては成り立ちますが、消費財などでは、買い占め、売り惜しみが発生しているなどの場合にしか金利でコントロールすることは難しい。もちろん、金利差による国際的な資金移動により為替水準が変わると、結果的にインフレも制御できるのだけど、それでは変動相場制の意味がない。ここをきちんと理解しないと、通貨危機などのしっぺ返しを食らうことになる。この点は、注意しなくてはいけません。
そろそろ円高?