岡本裕明氏の9/17付けアゴラ記事「日本人の消費が伸びない、なぜ?:あまりにも安すぎる日本」へのコメントです。
日本は物価が安い、という話をよく聞きますが、その一方で、最近は物価が上がって生活が苦しい、という話も聞く。一見矛盾した状況がそこにはあります。
実際がどうなっているかをよく見ますと、「物価が安い」といわれているのは外食など、調理済みの食品なのですね。調理済みの食品は、食材に比べるとかなり高い。これは、自炊すれば安上がりになることからよくわかるのではないかと思います。
では、調理済みの食品はなぜ食材に比べると高いのか、そしてそれがなぜ諸外国に比べて安いのか、と考えますと、つまるところ、食材費+人件費+αが調理済みの食品の値段で、それが安いということはつまり「人件費が安い」と考えられるわけです。
なぜ人件費が安いかといえば、高給の得られる職場が日本では少なくなってしまったから。生産性が高く、多くの雇用を擁する組立産業が、過去数回の円高の時期に海外逃避してしまったから、そして、情報産業を中心とする新しいビジネスが日本では育っていないから、なのですね。
そうなると、もう一つ、面白い問題に思い当たります。経済の実態を国際比較する際、ドル換算で比較する他に、ビッグマック指数での比較も行われる。でもそのビッグマック、日本では安いわけですね。これはちょっと、経済実態を国際比較する際のものさしとしては不適当であったかもしれません。
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