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FRBが利下げ。日本はどうする

アゴラ編集部の9/19付けアゴラ記事「FRBが0.5%の大幅利下げ決定:いよいよ利下げサイクルが開始」へのコメントです。


米連邦準備理事会(FRB)は、18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、通常の2倍にあたる0.5%の利下げを決定しました。
これは労働市場の減速リスクを踏まえたもので、FRBの金融政策は4年半ぶりの大きな転換点となります。政策金利は4.75~5.0%に設定され、今後も年内に0.5%の追加利下げが予測されています。

これが金利政策の正しい姿でしょう。つまり、自国内の景気をコントロールするために金利を上げ下げしているのですね。景気が良くなれば投資が活発になり、雇用が増加し、工場用地や機械設備、原材料の需要が高まり物価も上昇する。このための資金手当てが必要になりますが、金利が高ければこの動きにブレーキがかかるし、金利を下げればこの動きを加速することになります。

日本ではどうかといえば、国内の投資は非常に低調です。投資のための資金は銀行から借り入れるのですが、銀行はこれを市中から集めた預金の他に、日銀からの借り入れで賄う。この借入金利を「公定歩合」と呼び、日銀はこれで景気をコントロールしていたものです。

ところが現在は、銀行に資金が余っており、日銀の当座預金口座にこれを積み上げているのですね。日銀は当座預金口座の付利で資金供給をある程度コントロールできますが、現状で金利を上げても当座預金が膨れるだけ。日銀にしてみれば、余計な金利を支払うだけのばかげた結果になってしまいます。

ただし、日本の利上げは円高を招く効果もあり、物価が低下するので消費者はうれしいし、自国通貨高は通貨当局のプライドを大いに満足させます。でもその一方で、企業利益は低下し、国内の景気は減速する。長い目で見れば、ボディーブローのように日本の国力を削いでいくのですね。ここは、目先の利益にとらわれることなく、あるべき道をとらなくてはいけません。

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