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無知故の敗戦。官僚は再教育を

城所岩生氏の9/24付けアゴラ記事「官民癒着のガラパゴス体質が招いたデジタル敗戦」へのコメントです。


ひ孫引きですけど、以下の田中氏の言葉が、我が国で情報技術がものにできない、最大の問題でしょう。

ソフトウェアは コピーすれば簡単に大量生産できます。にもかかわらず、わざわざ一件一件カスタマイズした割高なシステムを作り上げて売って回って、利益を上げようとする

今日の情報技術を象徴するキーワードは『自律分散』なのですね。個々のコンピュータシステム、あるいはそれぞれのローカルネットワークは自律的に運用される。そしてこれらの間を透明で汎用性の高い「IP:インターネットプロトコル」が接続しております。

このようなシステムの成り立ちは、じつは、コンピュータの世界だけではなく、今日の世界で成功している様々なシステムにみることができます。たとえば、生物は、それぞれの個体が独立して自律的に行動し、多くの個体が群れをつくる。市場経済も独立した経営主体が開かれた市場で取引するし、民主的な政治制度も、自律する様々な政治団体が自由で開かれた議論の場と公正な選挙制度の下で競い合う。インターネットの普及も、ある意味、お約束だったのですね。

『自律分散』に対立する概念が『中央統制』で、専制国家や共産主義国家、コンピュータではメインフレームにダム(低機能)端末を接続したシステムがこれにあたります。今の日本の官僚が理想とする世界が後者であることが、上の田中氏が形容する日本の情報技術導入の問題点なのでしょう。

つまるところ、まず必要なのは、官僚の教育で、それには情報技術の基本も大事だけれど、考え方そのものを改める必要がある。これは、アゴラでもおなじみの郷原信郎氏の「思考停止社会―『遵守』に蝕まれる日本」の紹介する村上ファンド事件判決での「ファンドなのだから、安ければ買うし高ければ売るのは当たり前」との村上被告の言葉に対する「このような徹底した利益至上主義には慄然とせざるを得ない」との裁判官の言葉を見ても容易に理解されます。市場経済の勉強も、ですね。

1 thoughts on “無知故の敗戦。官僚は再教育を

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