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地位協定問題は司法の信頼問題

アゴラ編集部の9/29付けアゴラ記事「石破新総裁『日米安保条約の改正』という大事業をぶち上げる」へのコメントです。


以下は、単なる日米同盟の問題というだけでなく、日本の司法が国際的に信用されていない、という問題でしょう。

アメリカは冷ややか。今の日米同盟の枠内では、地位協定で譲歩したくないのでしょうが、その枠組を変えるとすれば話は別です。

このあたりの問題は、魚住昭氏の「官僚とメディア」に詳しいのですが、我が国の検察や司法は、身内の論理を重視する傾向が強く、彼らからのリーク情報が生命線であるマスメディアもこれには逆らえないという事情があります。

最近のホットな話題は、一度は死刑判決を受けた袴田氏に無罪判決が下ったこと。この中で、警察による証拠の捏造も認定されているのですが、捏造した証拠で死刑にしようなどという行為は、殺人未遂であるともいえます。それも、一個人ではなく、国家の名において行われんとした。本来は、重大な事件といわざるを得ないのですね。

このような国の司法に自国民をゆだねるわけにはいかない。これは、先進国なら普通の感覚です。なにぶん、基本的人権は、先進国の共通認識だからなのですね。だから、日本で犯罪者として収監されたアルコニス氏は、米国に英雄として帰還した。この認識の差を、我が国は、もう少し重く受け止めなければいけません。憤慨してれば済む問題ではないのですね。

そういう意味では、在日米兵に日本の捜査権が及ばないとする今日の日米地位協定は、当然の結果であり、これを変えようと思えば、まず日本の警察、検察、司法を世界の納得する形に変えていかなくてはいけない。このあたりは、検察・司法当局自らの変革が必用なのですが、果たして石破氏にそこまでできるかどうか、私にははなはだ懐疑的に思われる次第です。

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