音喜多駿氏の10/5付けアゴラ記事「あまりにも失われた『石破カラー』:社会保障制度改革はどこへ」へのコメントです。
総裁選に立候補している以上、そりゃないだろうと言われるかもしれませんけど、石破氏は、自分が自民党総裁に選ばれるなどとは、これっぽっちも思っていなかったのではないでしょうか。彼の総裁選立候補の理由は、党員票でトップに立ち、党内に一定の発言力を確保する、これが石破氏の狙いだったのではないかと思いますよ。
だから、理想論を口にできる。実現可能性をいったん棚上げした、理想的な政策を掲げて多くの共感を得る、これが石破氏の総裁選における作戦だったはず。現にそれをやったようにしか見えないのですね。そして、石破氏のお考え通り、当初の下馬評では、河野、小泉、高市の各氏が総裁の有力候補であったわけです。
この筋書きに狂いが生じたきっかけは、河野氏が当初思われていたほど人気が出ない、小泉氏も少しずつぼろを出す。そして極め付きは、立憲民主党の代表に野田氏が選ばれたこと、これで、投票直前には最有力候補であった高市氏では選挙が戦いにくくなってしまいました。その他、自民党長老たちの思惑が交錯した結果もあって、石破氏に自民党総裁の座が転がり込んできてしまった。
これで一番驚いたのは石破氏本人だったのではないかな? でも彼は過去の民主党政権の担い手たち程には愚かではありませんでした。これまでのおのれの主張をそのまま実行に移せば政権が頓挫してしまう、下手をすれば日本が終わってしまう。だから君子は豹変する。その結果がこのエントリーに書かれた数々でしょう。
これに文句を言いたい気持ちはわからなくはないですけど、この豹変で、日本も自民党も救われたわけで、ここでの石破氏の作戦変更は賞賛すべきことだと私は思います。まあ、政党間の駆け引きとしては、当然ここは攻めるべきところなのでしょうけど、日本のゆくすえを考えるという点も、政治的な主張に際しては、必要だと思いますよ。
メモ:石破茂の長月27日 ―― 偉大なる笑劇 ――
なんか、もし選挙に勝ったら、公約とか全部破って違うことやりそうだ。
民主党の時のように。党内野党の名はダテじゃないということかな。