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日本語(外来語の発音)は難しい

アゴラ編集部の10/9付けアゴラ記事「浅田均参議院議員の英語発音に国会が爆笑:だから日本人の英語ができない?」へのコメントです。(追記あり)


これは、浅田議員が少々まずい。

英語の授業中なら英語読みするのが当然なのですが、日本の国会という公式の場で議論するなら日本読みしなくてはいけない。で、「NATO」の日本での発音は「ナトー」が一般的ですから、こう発音するのが基本なのですね。

これをネイト―と発音するのは、洋行帰りを鼻にかけているみたいで、少々気障、嫌みです。

昔、LinuxというOSが流行った時、これをどう読むかが、ちょっとした議論になったことがありました。で、結局わが国では「リナックス」で落ち着いたのですが、米国の一部に「ライナックス」と読む流儀もあり、そういう発音をする人が日本にもいた。これもちょっと嫌味なのですね。

もっともこの読み、初期のディストリビューションにはLinuxの読みを納めた音声ファイルが同梱されていて、その発音は「リヌークス」に近い。これ、開発者がリヌースさんなのでリヌークスと読むのも妥当であるように感じた次第なのですが、これを主張するのもまた嫌味みたいで、これに関する議論はし辛いものがありました(遠い目。)日本語は、難しい。


他の方のコメントに返信を入れておきました。

Tohru Ikuta

「だから日本人は英語が出来ない」? そうですね。学校で教えるローマ字が最悪ですね。これで、アメリカに来ても全てローマ字読みにしてしまう。今でもおかしな日本での英語は多くあります。カオス? こちらでは「ケイオス」ですが。ガスボンベ、通じませんね。それを平気で使い、国会でも笑われる?日本という国はおかしな国ですね。「ネイトー」を使った浅田議員がまずい? 笑う連中の方がもっとまずいだろ! 「井戸の中の蛙」と言われても仕方ないね。日本の国会もこの程度か? これじゃ、国が良くなるはずは無いね。


瀬尾 雄三

> カオス? こちらでは「ケイオス」ですが。

ラテン語では「カオス」なのだが。


以下、10/11の追記です。

いろいろ誤解があるようですので、問題を整理しておきます。まず、「ローマ字」は「A」「B」「C」などの文字が第一の意味です。これらはラテン語を表記するために作られた文字で、これをヨーロッパの多くの国が自国語の表記に使用しています。

ローマ字の第二の意味は、「日本語のローマ字表記」の略で、こちらは、幕末に来日した宣教師にして医師のヘボン氏が、日本語の辞書を作るに際して日本語をローマ字表記するために考案した「ヘボン式ローマ字表記」が一般的です。(教育の場ではこれを簡素化した「訓令式」が良く用いられております。)

で、そもそものヘボンのやり方は、ラテン語表記を援用したもので、これはローマ字が元々ラテン語の表記に用いられてきたことから当然ともいえるのですが、当時の、特に宣教師の世界ではラテン語が世界標準言語であったわけですね。

今日、ラテン語の読み方を解説する文書を見ますと、しょっぱなに「ラテン語の発音はローマ字式が基本です」などと書いてあります。これは話が逆なのですが、日本語のローマ字表記のある世界でラテン語を学ぼうと思えば、この言い方になるのでしょう。

今日の世界は、たしかに英語が共通言語ではありますが、文化的にはラテン語やフランス語を高く評価する人も多い。医学や化学の世界ではドイツ語が幅を利かせたりもしております。英語がすべてと考えてしまうのも、ある意味、井の中の蛙のそしりを免れないかもしれません。つまりイナカモノと思われてしまうということですね。このあたりは、お互い、気を付けたいものです。

1 thoughts on “日本語(外来語の発音)は難しい

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