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内部留保が生むモラルハザード

田中奏歌氏の10/25付けアゴラ記事「どなたか内部留保は何が悪いのか教えてください」へのコメントです。


内部留保というのは、利益の処分方法のひとつで、株主への配当や役員賞与などは、お金が会社の外部に出ていくのですが、それ以外の分で利益余剰金として会社内部に留保されるものを意味するのですね。

内部留保それ自体は、何ら悪いものではなく、急成長している企業などは、配当や役員手当もほとんどゼロにして、儲けたお金を社外に出さず、可能な限り投資に回して会社を成長させたり致します。

普通の会社でも、新規の投資機会に素早く対応するためにも、事故や環境悪化などのリスク要因に対応するためにも、社内に一定の金額を積み立てておくことは悪いことではない。

でも過剰にリスクに対応することは、経営不在(いわゆる放漫経営)などの、企業内部要因によるリスクにも対応することになり、モラルハザードとなってしまう。逆に、経営者にそういう誘惑が生じることは不思議ではない。そこが問題なのですね。

利益は本来株主のものであり、経営陣の身の安泰を保ちたいなどという欲求に従って資金を動かすことは、経営者のあるべき姿ではない。内部留保を批判する人たちは、そういうことを言いたいのでしょう。投資する予定もないなら、過度のリスク対応などせずに、配当すべき。これが株式会社のあるべき姿なのですね。

1 thoughts on “内部留保が生むモラルハザード

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