高橋克己氏の11/15付けアゴラ記事「兵庫県知事選は『斎藤2.0』」へのコメントです。
果たして斎藤氏はどうなるか。が、彼とトランプには共通点がある。既成の利権構造に抗って反撃に遭い、オールドメディアに叩かれている点だ。安倍元総理はこれを話題にしてトランプの歓心を買った。筆者が冒頭の拙稿を書いたのも、斎藤バッシングに対する判官贔屓と首尾一貫挫けない彼の姿勢への驚嘆からだ。
「斎藤氏≒トランプ氏」という着眼点は面白いですね。米国の場合は、大統領の判事に対する影響力が絶大で、司法判断を左右してしまうところが問題ですが、我が国の場合はこの部分が固定的で、斎藤氏にはちょっと不利ではあります。
と、言いますのは、上の引用部で「既成の利権構造」と書かれている部分は、業界だけでなく、官庁、官吏がその最大の受益者なのですね。国政の場合は、検察、司法もこの一部になっているところが問題なのですが、兵庫県の場合、最大の抵抗勢力は県庁だった、ということでしょう。
このあたりは魚住昭氏の「官僚とメディア」に詳しいのですが、既成の利権構造である官庁の利益を同じく既成の利権構造であるオールドメディアが擁護してしまう。官庁サイドに大いに問題がある場合にも、なのですね。これは、今日の我が国の、大問題の一つである、ともいえるでしょう。
でも、兵庫県の場合は救いがある。つまりそこに、オールドメディア対ネットという競合状況が現れてきたのですね。そして、時代はオールドメディアからネットへと力が移動しつつありますから、このわが国の大問題も解決の方向に向かう。兵庫県で起こっていることは、その一つの象徴的事件ということになりそうです。まあ、結果がどうであれ、ですが。